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【修羅場】うちの母ちゃん凄いぞ 中編【体験談】

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<>61名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)20:55:44.11ID:L5z77960<>

母ちゃんに、浅見さんが褒めてくれるどころかほとんど口も聞いてくれないとボヤいたら、
母ちゃんが「じゃあ自分から話しかけたらいいじゃん」と言った。
そういえば、自分から話しかけた事ないなと思ったので、話しかけてみようと思った。

それからすぐ、浅見さんと二人のシフトの時。
浅見さんの様子をうかがいながら、それでも頑張って話しかけてみた。

私「暇ですね」
浅見さん「あぁ」
私「なんで暇なんでしょうか」
浅見さん「さぁ」

私「暇で疲れちゃうなぁ」
浅見さん「(無視)」

浅見さんは言語障害なのでは?と思った。

<>72名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)20:59:37.94ID:L5z77960<>

トレーナーに、浅見さんの無愛想さについて愚痴った。
「あの人すぐに私を無視するんですよ」と言ったら、
トレーナーから「あんたも負けずに無愛想じゃん」とすぐに言い返された。
確かバイト初めて一カ月くらいで、毎回私のまかないはトレーナーが直々に作ってくれていた。
イカとかタコとか安いネタは嫌いですと言ったら、
イヤミのようにイカだけ10カンとか、タコだけの巻物を5本とかまかないとして渡されたと思う。

<>75名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:01:02.46ID:70RAdM.o<>
相変わらず図々しくて安心した

<>80名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:02:44.41ID:WGsg9bw0<>
当方、関東在住ですが「タコの巻物」なるものを見たことが無いです。
あれか、まかない用の隠れメニューってやつか?

80
もちろんタコの巻物なんか商品にはないけど、寿司屋のまかないは比較的自由ですよ
極端な話、うににいくらに数の子の豪華3ネタ巻きとかも作れる
多分売りにだせば一本400円くらいしそうな高い巻物です

<>85名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:04:13.54ID:L5z77960<>

もっともっと仕事ができるようになったら、高いネタをまかないで出してやると言われたので、
「じゃあ店長を目指して、毎日うにを食べます」と言った。
トレーナーはゲラゲラ笑っていた。

休憩時間も終わろうとした時に、トレーナーが「浅見さんは、韓国映画が好きだよ」と言った。
私は韓国映画なんか見たことないし、全然興味もなかったけど、
帰りにピザからツタヤに誘われたので、何の気無しに一本韓国映画を借りてみた。

<>89名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:08:23.47ID:o2hh9IAO<>
ピザとは仲いいんだな

<>90名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:09:25.68ID:L5z77960<>

ブエノスアイレスっていう、ホモ映画だった。
初めて見た韓国映画がこれだったので、今でも韓国映画=ホモという偏見が抜けない。
韓国映画好きな人ごめんね。

特にホモに偏見はないというか、むしろ興味しんしんで見たブエノスアイレス。
ぶっちゃけ内容が難しすぎて意味が分からなかったけど、
次に浅見さんに会ったら話してみようとわくわくした。
今思えば、中学生が先輩に初恋をする感覚に近いかもしれない。
私は別にレズとかじゃないけど。

<>91名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:11:23.70ID:ChGK96DO<>
会話のきっかけがホモネタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

<>92名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:11:50.54ID:R0slvago<>
クズ子はホント浅見さんに惚れてんのなwwww

<>94名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:13:00.98ID:L5z77960<>

待望の浅見さんに会えるシフトの日、朝一番に話そうと思ったけど、
浅見さんの朝一はとても忙しいので我慢した。
10時になればシャリ炊きも終わるので、10時になったら話そうと思った。
だけど、10時になったもなんか邪魔が入った、なんだっけ、多分大型の注文だった気がする。
また忙しくなる浅見さん。
イライラしてたので、その日のレジで客相手に八つ当たりしまくっていたと思う。

<>98名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:13:46.32ID:70RAdM.o<>
客に当たるなよwwwwwwww

<>106名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:18:15.71ID:L5z77960<>

あぁ、なんで当時ブエノスアイレスを借りたのか思いだした。
トレーナーから、浅見さんが好きな俳優を聞いてて、その俳優の映画を探したからだ。
ちなみに、「レスリー・チャン」ね。

いつも、14時に浅見さんは上がってしまう。
トレーナーが14時頃過ぎに来て、私はトレーナーが来てから休憩に入れるので、
若干浅見さんとは休憩もずれてしまう。
今日はチャンスがない!せっかく見たのに!400円も出したのに!
と本気でイライラしていたら、浅見さんがとことこやってきて、突然私の髪の毛を指差した。
「あんた、それ自毛?」
一瞬きょとん、としたけど、あぁ、金髪の事かと思ったので、「違います」と答えた。
そしたら浅見さんが「やっぱりね」と言った。
浅見さんから声をかけてくる事自体珍しいし、
何よりもこんなに言葉数多く会話出来る嬉しさに舞い上がりながら、
「な、なんでですか!?」と興奮ぎみに聞いたと思う。

<>113名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:23:59.10ID:L5z77960<>

「いや、あんた眉毛は黒いのに髪の毛はあかいから、変な感じがしてたし」

世の中のおばちゃんて、染めている髪の毛を全部まとめて「あかい」っていうんだろ?
でも浅見さんはおばちゃんぽくないし、かっこいいから全然オッケーだよ!
と、思っていたと思う。

浅見さんが、「最近真面目に来てるのに、そんな頭じゃぐれてみえるからもったいない」と言った。
もう一度聞きたかったので、聞こえないふりをして、浅見さんに同じ言葉を3回言わせた。

最近真面目に来てるのに
最近真面目に来てるのに
最近真面目に来てるのに

言語障害で褒められない病の浅見さんが、はじめて褒めてくれたと思って、有頂天だった

<>122名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:28:17.38ID:T/ENWKko<>
大事なことなので3回言わせました

<>115名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:25:41.65ID:hZffoYDO<>
どうしよう。ほんと可愛いこの子。

<>124名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:28:35.95ID:L5z77960<>

聞こえないふりをしている私を、浅見さんはお見通しだったんだろう。
「あんた面白いね」と言って、満足そうにしていた。

勢いにのって、「あの、昨日ブエノスアイレスを見たんです!!」と言ったら、
浅見さんの表情がくしゃっと崩れた。嬉しそうな顔をしてたと思う。

「なに、あんた韓映画好きなの?」
「いや、全然好きじゃないけど、見ました」
「なんで好きじゃないのに見たのww」
「浅見さんが好きだって聞いたから見てみました」

一瞬ぴたっと動きをとめた浅見さんは、次の瞬間握っていた寿司を静かにおいて大笑いし始めた。

<>130名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:30:17.00ID:WGsg9bw0<>
124
なんだこの展開・・・ニヤニヤがとまらねぇwwwwww

<>137名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:31:57.83ID:L5z77960<>

帰り際、浅見さんから名刺をもらった。
レスリーチャン愛好家仲間で使用している名刺なんだと。
浅見さんの本名と、連絡先が入ってて、「メールでも電話でも、いつでもしてこい」と言ってくれた。
帰り際に手をふってくれた浅見さんに胸キュン(笑)しながら、
夜のシフト中もずっとその名刺を眺めていた。
結局、ほとんど毎日店で会えるのでメールも電話もした事なんかなかったけどね。

<>153名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:40:10.90ID:A8QotIAO<>
浅見さんカッコいいよ浅見さん

<>142名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:34:48.54ID:L5z77960<>

その日帰宅してから、妹をリビングに呼びつけて正座させた。
「ほら、これ見て!」と言って、浅見さんからもらった名刺を妹かにに見せびらかした。
とりあえず褒めようと思ったのか、妹は首をかしげながら「す、すごーい」と言ってた。

意味が通じなくてもいいので、誰かに自慢したかった。
ずっと勉強して、やっと試験に受かった時の達成感に似てるかもしれない。
私は試験なんぞ受けたことがないが。

<>150名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:38:57.61ID:L5z77960<>

トレーナーに浅見さんに、いざ二人から構われてしまえば、
パートのおばちゃんも私に優しくなってくる。
なんか、母親に媚びている社員たちを思いだして嫌な気分になった。

パートのおばちゃん達の話は、どこの職場でも一緒。上司の愚痴だ。
ひたすらトレーナーや ベテランパートの浅見さんの悪口を言って、
でも本人たちを前にすればへこへこし始める。
それを見ているだけでも嫌だったし、トレーナーや浅見さんの悪口を聞くだけでイライラしていた。

<>160名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:45:15.91ID:L5z77960<>

ある日に、客から私の髪の毛の事をグダグダ指摘された。
多分髪の毛の事というか、私の無愛想加減にイライラした客が、
私の身なりにいいがかりをつけてきたんだろうけど。
その時一緒に入っていたパートさんが出てきて、客にぺこぺこ頭を下げていた。

そのパートが、トレーナーに
「挨拶とかそんなのはどうでもいいから、クズ子のあかい頭をなんとかしてくれ」と言っていた。

<>166名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:52:48.79ID:L5z77960<>

お前こそ、そのたわしみたいな頭をどうにかしろよと思ったけど、
なんか面倒くさかったので聞こえないふりをして勝手に休憩に上がった。
休憩に上がったら浅見さんがいた。
なんでいるんだろう、今日は休みなはずなのにと思ったら、
「今日は昼から大型注文があるから、トレーナーと二人で注文商品だけ作りにきた」と言っていた。
着替えている浅見さんに、さっきの話をした。

「確かに、あんた真面目な子なのに、その頭じゃふりかもね」と浅見さんは言った。
人は見かけじゃないけど、それが通じるのは知人からで、
客なんかにしたらあんたが真面目に働いてる事なんかわからないし、
金髪=不真面目と思われても仕方ないと言われた。

「あんたもトレーナーに仕込まれてやっとバイトらしくなってきたのに、
たかが髪の毛の色で評判が落ちちゃもったいない」とも言われた。

なので、帰り道に髪の毛を黒くするやつを買おうと思った。
よく分からなかったので、
とりあえず「ビゲンの白髪染め〜黒々つやつやな髪に〜」とかいうのを買ってみた。

<>168名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)21:53:53.12ID:LHorAaQ0<>
ちょwwwwwwwwwwww
白髪染めはやめとけwwwwwwwwww

<>179名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)21:58:16.39ID:L5z77960<>

別に白髪じゃないのに、白髪染めで髪の毛を黒くした事がある人は分かると思う。
とにかく、びっくりするほど漆黒になる。
風呂場で染めて鏡を見て、一瞬誰だか分らなかった。

母ちゃんは、風呂に行って出てきたら髪の毛が真っ黒になった娘をみて、
「何それ、カツラ?」と言った。
妹も、「お姉ちゃん、それカツラ?」と言った。

あまりにも違和感がありすぎて、顔から黒髪が浮いていたらしい。

<>185名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)22:02:41.94ID:L5z77960<>

翌日出勤したら、久しぶりに朝からトレーナーがいて、私を見るなり「それカツラ?」と聞いた。
常連のお客さんも、「姉ちゃん、カツラ?」と聞いた。
午後からのパートさんも、「あらやだ、クズ子ちゃんカツラみたいwwww」と言った。

今すぐバリカンで頭丸めようかと思ったけど、突然店に浅見さんが来たのっで緊張した。
どうやら、トレーナーが「クズ子が頭黒くした!」と電話をかけたらしい。
でも浅見さんにも、「あんた、何それwwwwwwwwか、かつらじゃんwwwwww」と笑われた。
もう二度と髪の毛は黒くしないと思った。

<>192名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)22:07:47.16ID:L5z77960<>

そんなに笑う事ないのにと思ってむかっとしてたら、どうやら顔に出ていたらしい。
すぐに浅見さんが、「ごめんごめんww」と言ってくれた。

「似合ってないけど、いいよそれ」
「それ褒めてますか?」
「褒めてるよ」
「嘘だ、笑ったくせに」
「褒めてるってばww真面目な優等生に見えるよ」

けらけら軽く笑う浅見さんと、トレーナー。
めちゃくちゃ腹がたったし、“髪の色を直した”事について誰も褒めてくれないので、
それにもイライラした。

唯一褒めてくれたのはピザだけだな。

「クズ子、いいじゃん!それいいよ〜!ふかわりょうみたい!」

と褒めてくれた。

<>193名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)22:07:49.03ID:Wc.ISv.o<>
カツラに定評のあるクズ子wwwwww

<>206名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)22:10:15.49ID:aKe7EAAO<>
ふかわwwwwww
せめてクレオパトラとか言ってやれよww

<>252名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)22:53:49.17ID:L5z77960<>

なんだかんだで、ふと気づけば一カ月働き終えた所で、遅刻と欠勤がゼロになっていた。
いや、ゼロじゃないけど、ほぼゼロ。私計算でゼロ。週に2、3回しか遅刻してないし。

日給大体6000円。週に5日勤務なので、週3万円稼げる。
そしたら一カ月で12万。12万もあれば数カ月はニートが出来ると思った。

<>254名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)22:55:05.56ID:ChGK96DO<>
勤務の半分は遅刻じゃねえかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

<>259名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)22:58:27.15ID:BCbjPUQo<>
相変わらずのクズっぷりに安心したww

<>262名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)22:58:41.40ID:L5z77960<>

最初の頃は一カ月目の給料をもらったらもやめようと思ってたけど、
トレーナーに「来月は浅見さんがいる日は全部シフト入れて下さい」と言ってた。
来月も働けるのか?
と自分で自分が疑問だったけど、なるようにしかならないだろうとも思った。

勤めて一カ月目。
一ヶ月目というか、いわゆる締め日という日。
私は、締め日当日に給料がもらえるもんだと思ってたので、帰り際に何買おうか迷っていた。
浅見さんに、「今日お給料日ですね」と言ったら、
「締め日当日に給料が出るわけないでしょ」と言われ、給料日があと10日も先だと知った。

なんか一気にやる気がなくなったので、この日も適当に客の相手をした。

<>268名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:01:48.75ID:L5z77960<>

母ちゃんに、「もうすぐ給料日だ」と言ったら、「初任給だね」と言われた。
初任給とは、勤めてから初めてもらうお給料の事である!

初任給でありがちなのは、母ちゃんにプレゼント買ったり、母ちゃんにまるまるあげたり…
そんな親孝行な子供が多い日本ですが、私は親孝行ではないので、
さっそくアマゾンで通販予約をしまくろうと思った。
クレヨンしんちゃんが大好きな私は、クレヨンしんちゃんのDVDを大人買いしようと思った。

<>276名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:05:27.14ID:L5z77960<>

新しいPCも欲しかったし、でも、12万でぱーっと高級寿司屋に行ってもいいなとも思った。
もちろん一人でな。
えんがわを買ってもいいなとも思ったし、ブックオフで12万円分漫画を買ってもいい。

12万円を一カ月に分けて使おうという意識がまるでない私は、
とにかく12万円をどう一日で使い切るか真剣に考えた。
考えた結果、冷凍の刺身と米と酢を死ぬほど買えば、
万が一バイトを辞めてもニートをしながら家で寿司食べられるじゃん!と思った。

さっそくアマゾンで冷凍の刺身を探した。

<>278名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)23:06:39.18ID:V30EsEMo<>
アホの子だwwwwww
萌えるwwwwww

<>284名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:11:44.90ID:L5z77960<>

結局、遅刻に欠勤を繰り返していた私の手元にきた初任給は、10万円もなかった。
しかも、何とか税とかいうのが引かれていて、詐欺だと思った。

トレーナーから「初任給で何買うの?」と聞かれたので、「冷凍の刺身を買います」と言った。
「あんた本当に寿司が好きだねww」と言われて、「で?他には?」と再び聞かれた。

「冷凍の刺身だけです」
「えぇ?あんたのお母さんには?」
「いや、母ちゃんは稼いでいるので、いざとなれば自分で何でも買えるし。
私が何か買っても喜ばないと思います」
「あんた、親の心を分かってないねー」

金額じゃなくて気持ちなんだよとか言われた気がするけど、
それよりも早くアマゾンで刺身を注文したかったので、話の途中でトレーナーを無視して帰宅した。

夜道で人に10万縁盗まれないか心配だったので、
はらまきの下の下着の中に給料の封筒を入れて持ち帰った。
ちなみにこの店振り込みじゃなくて現金支給ね。
当時だけじゃなく今でも現金支給だよ。

<>294名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:15:09.98ID:L5z77960<>

冷凍の刺身はたくさんアマゾンで並んでいるけど、
どれが美味しいのかよく分からなかったので母ちゃんに聞こうと思った。

リビングへ行ったら、母ちゃんと妹がいて、妹がめそめそ泣いてた。
「どうしたの?」と聞いたら、母ちゃんは私に「そこに正座しなさい」と言われた。

直観的に怒られると思ったし、
テーブルの上に昔妹からくすねたお年玉の袋(もちろん空っぽ)がいくつも置いてあったから、
あぁ、ばれたんだなと思った。

<>299名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)23:16:52.98ID:/ddBb/s0<>
ついにばれたwwww

<>307名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:20:14.74ID:L5z77960<>
「クズ子、妹のお年玉がないんだけど、知らない?」

知らない?とは言うけど、母ちゃんの口調から全部ばれてると瞬時に分かった。
今までばれなかったのになんで今更、と思ったら、
今日初任給をもらえる私のために妹がお祝いのプレゼントを買おうとしてくれたらしい。
お姉ちゃんのプレゼントを買おうと、貯めていたお年玉袋を見たら中身が入ってなくて、
母ちゃんに話したというわけだ。

<>320名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:26:07.22ID:L5z77960<>

とっさに思ったのは、謝ろうでもなく、しらばっくれようでもなく、
「あ、また頭おかしくなったふりしよう」だった。
頭おかしくて、無意識の内にやりました!って言えばいいじゃん!と思った。

でも、なぜか思いついたくせに出来ない。
多分、一カ月前の私なら何の迷いもなくやっていたと思う。
母ちゃんには嘘をつけないし、何より多分すぐばれる。
トレーナーみたいに、すぐに嘘だと見抜いて、めんどくさい事になるだろうと安易に想像できる。

遅刻癖が激しかった時に、トレーナーから「遅刻したら挨拶と一緒に謝罪をする事」と教えられていた。
なので、この時だけは素直に「ごめんなさい」と謝った。
多分、家がおかしくなって自分もおかしくなってから、はじめて心から人に謝罪したと思う。

<>322名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)23:27:53.25ID:F72bKYAO<>
クズ子がかわった!!!!

<>329名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:30:59.80ID:L5z77960<>

謝ったら、なんか悲しくなった。罪悪感がわいてきて、どうしよう、と思った。
妹を見たら、妹は「お姉ちゃんは悪くないよ」と言った。
「泣かないで、お姉ちゃんごめんなさい」と妹が謝っていた。
また罪悪感がわいた。

人の物を盗むと、その人が傷つくというごく当たり前の事を、この時はじめて身をもって痛感した。
妹が泣いてる姿を見たくないと思った。
昔むかし、お金を盗んで、それに対して悪びれる様子もない私を見て、
兄ががっくると肩を落として、それ以来出ていってしまったんだっけなとも思った。
困った事に、私が家族をめちゃくちゃにしている事に気付いてしまった。

<>333名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/18(土)23:33:21.00ID:9DAoD2SO<>
なんかグッときた

<>339名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:38:33.22ID:L5z77960<>

働けて、結構普通の人に戻っているつもりだったけど、結局私は駄目な人間のままだと思った。
なんか頭がパニックになり、母ちゃんと妹にひたすら謝った。
母ちゃんは何も言わなかった。
妹が「もういいよ」というたびに、母ちゃんが「もうよくない、妹は黙っていなさい」と言った。

ついに見放されると思った。

母ちゃんは、「お金は何に使ったの?」と聞いてきた。
覚えてなかったので、「分からない」と答えた。

「悪い事に使った?」
「分からないけど、でも遊んだりとか、絶対良い事には使ってないと思う」
「どうして盗んだの?」
「お金がなかったから」
「お金がなくて、お寿司が食べたいからってあんたは今働いてるでしょ」
「うん」
「今精一杯がんばってるでしょ」
「うん」
「じゃあ、妹に一番謝って、次に謝るのは母ちゃんじゃなく、今頑張ってる自分に謝りなさい」

頑張ってても、結局悪い事しちゃったら全部水の泡なんだと言われた。

<>349名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:43:34.07ID:L5z77960<>

「じゃあもう、私は駄目だね。人間の屑だから生きてる資格ないね」
と言ったら母ちゃんにぶん殴られた。

あんたは、一番大切で一番心が難しい時期に家がめちゃくちゃになっちゃって、
病気になったのも仕方ないと言ってくれた。
でも、病気を克服したのだって、家の手伝いをしたのだって、
妹や母ちゃんに弁当やお菓子を作ったのだって、別に誰の力も借りてないし、
あんた一人で頑張った事でしょうって言われた。
働こうって思ったのだって、母ちゃんが言ったからじゃなくて、自分で思ったんでしょうって言われた。
自分で見つけた仕事先で、精一杯頑張ってるお前の一体どこが駄目なんだと怒鳴られた。

めちゃくちゃ怖かった。
なんか、嬉しいとか悲しいとかじゃなくて、
怒鳴っている母ちゃんが怖いという意識しかなかったと思う。

<>352名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/18(土)23:46:52.95ID:L5z77960<>
「例えばあんたが人を殺しても、母ちゃんだけはあんたの味方だよ」
「生きてる価値がないと思ったんなら、価値がある人間に変わればいいじゃない」
「母ちゃん、あんたが“生きてて良かった”と思える人生を送るためなら、なんだってする」
と言ってくれて、背中だか肩だかを叩かれた。

<>380名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:02:58.92ID:WuCu4FE0<>

妹が、「お姉ちゃんがいなくなったら、妹は泣くよ」と言った。
妹のお金をぱくるような姉なのに?と聞いたら、
「それは仕方ないよ、だってお姉ちゃん働いてなかったんだから」と言った。
妹が可愛いと思った。
なぜ妹は若干11歳くらいなのに、こんなに姉思いなんだろうと思った。
私は黙って部屋に戻ると、もらったばかりの初任給の封筒を持って再びリビングに戻った。
封筒から5万円は抜いて自分のポケットにしまい、残り5万円入りの封筒を母ちゃんに渡した。

<>381名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:03:44.63ID:OJBBP/Qo<>
自分の分はしっかり確保するのなwwww

<>392名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:07:54.67ID:WuCu4FE0<>

初任給をほぼまるまる渡した(はず。5割だからまるまると言ってもいいよね)私に、
母ちゃんが「これは何?」と聞いたので、
「妹のお金を盗んだ分と、あと、お兄ちゃんのお金を盗んだ分の弁償」と言った。

お兄ちゃんのお金も盗んでいた事に母ちゃんはびっくりしていたけど、
「あとでお兄ちゃんにもきちんと電話しておくなら渡す」と言ったので、約束した。

多分、5万なんかじゃ全然足りていないと思うけど、
それでも、過去の罪が清算されたような気分になって、視界が明るくなった気がした。

<>394名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:08:57.06ID:Mm3LzZQo<>
まるまるは全額だよ!!

<>402名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:15:48.38ID:WuCu4FE0<>

正直にいって、5万円は大きいし、出来たら渡すのは嫌だった。

そのまま兄に電話した。
兄は、最初こそずっと黙っていたけど、
私が働き始めた事は母ちゃんから聞いて知っていると言ってた。

「今日、お給料はじめてもらえたから、お兄ちゃんにお金返すね」と言ったら、
お兄ちゃんが「一カ月続いたのか!」とびっくりしていた。
そのあと、ごめんなさいと謝ったら、「正直、許せない」と言ってた。
だけど、お前があともう一カ月頑張って働けば許すと言ってくれた。
あと一カ月も働くのかよと思って「自信ない」と答えたけど、
「お前なら出来るよ」と兄は強く言ってくれたので、一応「分かった」と言っておいた。

<>405名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:17:53.72ID:cfV9IhUo<>
クズ子の周りの奴って温かいな

<>414名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:23:31.78ID:WuCu4FE0<>

こうして、私の初任給はほぼ全額家族に渡したわけだ。
元々人の金だったやつを返しただけだろww禁止。
残り5万円で、刺身を買おうと思った。
5万円分でも、かなり良い刺身が買えるからね。

ある日、トレーナーに「あんたももう研修期間じゃないんだから、今から握りを教える」と言われた。
機械で成型されたシャリ玉にネタをのせるだけじゃん、
らくしょうでしょ、と思っていたが、これが意外に難しい。
回転すしとかで、まさに「シャリ玉にネタをのせただけ!」という寿司を見かけるが、
うちのお見せは一応目安としてシャリ玉を使うだけで、ネタを乗せてからもしっかり握っていた。

イカがつるつるしてるのでよくシャリから外れる。
イカが大嫌いになった。
タコもつるつるしてるのでよくシャリから外れる。
安いくせに調子こくなよ、とタコが大嫌いになった。

<>428名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:29:16.00ID:WuCu4FE0<>

トレーナーに、「握りにくいので、イカとタコが嫌いです」と言ったら、
「10000カンくらい握れば慣れる」と返された。
あと、あんなに好きだったえんがわも握りにくかった。
でもえんがわは高いし美味しいので、別に嫌いにはなっていない。
初めて握りの練習をさせてもらった日、今日のまかないは自分で握れと言われたので、
えんがわとうにだけの握りを作ろうとウキウキしていたら、なぜか用意されていたネタは、
イカとタコだけだった。

「まかないでえんがわ食いたきゃイカとタコを上手に握れるようになるんだね」と、
トレーナーにニヤニヤされながら言われた。
悔しかったので、その日一日お客さんにもイカとタコをオススメしまくって、一日中イカとタコと戦った。

<>432名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:31:02.31ID:PTzDFgIo<>
客を巻き込むなwww

<>437名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:37:57.45ID:WuCu4FE0<>

イカとタコは、強かった。惨敗だった。
嫌いとか言ってごめんなさい、と土下座したくなるレベルだった。
ふとした合間にもずっとイカとタコ握りを作る私に、
トレーナーが「クズ子!いくら練習っていったってこんなにネタ使われたらうちも赤字だ」と
苦笑いしながら嘆いた。
5万円という大金を持っている私は、
「じゃあ、私が買いとるのであと30カン握らせて下さい」とお願いした。
所詮イカとタコなんぞ店で一番安いネタだ。
大した金にはならんだろう、と思っての発言だった。

買い取りするなら、という事で、トレーナーも私とイカタコの戦いを許してくれた。
気付けば、山のようにイカとタコの握りが完成していた。
数は覚えてないが、6人前用のパーティー皿にギリギリおさまるくらいだったので、
60カンとか70カンとかあったんじゃないか。

1カン50円なので、合計3000円くらい。
3000円出せば、えんがわがたくさん食べられたのに…と思ったが、
それでも今日70カン握ったんだから、あと9930カン握れば、
まかないでウニとえんがわが食べ放題!と当時は本気で思っていた。

<>438名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:39:04.44ID:Mm3LzZQo<>
ここだけ見ると、すごく勉強熱心な子なのに・・・

<>442名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:43:38.92ID:WuCu4FE0<>

私のえんがわへの思いは、もはや執着に近い。
トレーナーも、えんがわやウニのような高級ネタで釣れば私が動く事をよく分かっていた。
えんがわに釣られて大掃除をしたり、下水掃除もしたし、クレーム対応もした。
なんともトレーナーは私の扱いが上手いと思った。

山のようなタコとイカ握りを持ち帰ったら、妹が「何これ?」と聞いてきた。
「お姉ちゃんが戦ったイカとタコだよ」…
とは言わなかったけど、ちょうどいいので夕食で家族に食わせようと思った。

母ちゃんも妹も、「なんでイカとタコ?」って顔してたけど、
「あんたの握った寿司は上手い、世界一上手い」と二人して頑張って食べてくれた。
「また明日も握るから持って帰ってくるよ」と伝えたら、
母ちゃんから「出来たらイカとタコ以外でお願い」と言われたけど、無視した。
それから数日、うちは連日タコとイカの寿司が夕飯だった。

<>450名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:48:42.80ID:WuCu4FE0<>
確か5日目くらいで、ついにタコからの降参が出た。
続けてイカからも降参が出た。
私の完全勝利だ。

握りにくい寿司で練習し続けていたので、気づけばかなり握りが上手くなっていた。
スピードこそ遅いけど、見た目だけはかなり綺麗だ。
最初は安い寿司しか作らせてもらえなかったけど、
段々お店の中でも値段が高い寿司を握らせてもらえるようになった。

気付けばピーク時でもおろおろしないで、握りの戦力になれていたと思う。
まぁ一回コツをつかめばあとは単純作業なので、難しい事は何もない。

<>453名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:49:22.46ID:zR5.qz2o<>
軟体戦争終結かw

<>460名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:52:54.68ID:WuCu4FE0<>

ある日に、「まかないを作って休憩に行きな」とトレーナーが言うのでネタを見れば、
えんがわが2枚入れられていた。

「トレーナー、これ食っていいんすか!?え、えんがわっすよ!?ww」と興奮ぎみに聞いたら、
「あんた最近頑張ってるからね、でも毎日まかないにえんがわは無理だよ!」と言ってくれた。

ついに、えんがわのまかないデビューである。

<>464名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:54:56.50ID:VKkiFhYo<>
えんがわデビュー早いなww

<>478名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:00:30.78ID:WuCu4FE0<>

ううん、5日で克服出来たのはあくまでもイカとタコの野郎だけで、
そこでつかんだコツで、また数週間後に握りを習得したんだ…
だからえんがわデビューも数週間後なの

時系列めっちゃくちゃだな、本当
申し訳ない

<>477名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)00:59:29.88ID:u7zcH/.0<>
つーかやっぱ母ちゃんの子なんだな、やればできまくる子

<>470名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)00:57:53.18ID:WuCu4FE0<>

まかないを持って休憩室へ行くと、ちょうど浅見さんが入れ違い出勤をしてきた。
「見て下さいよ!えんがわ!ほら!」と興奮してまかない握りを見せたら、
浅見さんが「あ、いいじゃん、その顔なら可愛いよ」と言った。
唐突過ぎて何を言ってるのかよく分からなかったが、
どうやら興奮して喜んでいる私の笑顔が可愛いと言ってくれたらしい。
「あんた、もう握りは完ぺきだ!ってトレーナーも絶賛してるんだし、
あとはその顔でレジ打てばもうバイトとしては一人前だよ」

浅見さんにそう言われるとだんぜんやる気が湧いてくるので、
夜からはレジ打ちをさせてほしいとトレーナーへお願いした。
しかしレジの方は全然駄目。
さすがにレジミスはないけど、客から「あんた愛想がねーな」と必ず言われる。

<>534名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:27:37.67ID:WuCu4FE0<>

愛想がないと言われるとむかつくので、ますます愛想が悪くなる。
その繰り返しというか悪循環だ。
トレーナーに「あんたは我慢が足らない」と言われて、ますます腹が立ったので、
「やっぱり私にはレジは向いてません」と言って、レジに立つことを諦めた。

帰って母ちゃんに話したら、「ありがとうって言われると嬉しくならない?」と言った。
そりゃ嬉しくなるよと返したけど、丁寧に「ありがとう」なんて言ってくれる客ばかりじゃない。
寿司をひったくる客もいるし、舌打ちする客もいるし。
そんな客相手に嬉しいとは思えないと言ったら、
「そういう嫌な客でも我慢して笑顔でい続けられたら、また一つ自信につながるんじゃない?」
と母ちゃんが言ってくれた。
そんなのめんどくさいし、そこまでして自信なんかいらないと思った。

<>543名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)01:32:33.10ID:qbeA6oDO<>
いやなお客さんにまで笑顔でやるのはなかなか難しいよな
できるひとはほんとすごい

<>548名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:37:14.60ID:WuCu4FE0<>

ある日小さい子供と母親の二人が買い物に来た。
平日の夜だったと思う。
その日ピザは休みだったので、私とトレーナーの二人で店を回していた。
トレーナーと二人なので、レジは私。
めんどくせーなーと思いながらこの日も客相手していた。

小さい子供連れの母親に注文を聞いたら、子供が床に座り込んで、一気に戻した。
具合が悪かったのか、それとも車に酔ったのか、「うえー」って吐いて、わんわん泣き始めた。
ぶっちゃけ、泣きたいのはこっちだ。
だって、子供が吐きだした汚物は一体だれが掃除するのか。
トレーナーに「なんか子供が吐いちゃったんですけど」と言ったら、黙ってモップを手渡された。
やはり私が掃除するらしい。

母親は「手伝います、私がやりますから」と言ってぺこぺこ頭下げてたけど、
トレーナーが「いいんですよ〜気にしないでください〜」と母親に声をかける。
奥からトレーナーの“絶対客にはやらせるな光線”が飛んできたので、
口で息をしながら掃除を始めた。
子供だし、そんなに量もなかったので掃除自体はすぐ終わったけど、子供がずっと泣いている。
ぴーぴーうるさいので、販売機からジュースを買ってあげたら、子供が泣きやんだ。

母親は、最初は安い寿司を注文しようとしてたけど、店で一番高い一人前握りを4つも買ってくれて、最後まで頭を下げていた。

<>550名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)01:39:35.80ID:e6dUuMM0<>
ジュース買ってやったの!?
誰が?

<>561名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:44:53.84ID:WuCu4FE0<>
後日、あの母親と子供が再び店に来た。
この日も、一番高い一人前握りを今度は2つ買ってくれた。
親子が店を出る最後に、
小さい子が「お姉ちゃん、この前はジュースありがとう」と言って、飴をくれた。
あんぱんまんの飴だった。

なんだよこのゲロガキ、可愛いじゃないかと思ったので、「ありがとう」とその飴を受け取った。

後日、うちはチェーン店の寿司屋なので、月に一度本社から社報が来るんだけど、
そこにうちの店舗名があった。
お客様の声、みたいなコーナーだった。
ついでに私の苗字ものっていた。
内容は『うちの子供が店で粗相をしたにも関わらず、クズ子さんという店員さんが嫌な顔一つせずに片づけてくれて、おまけにジュースまでくれた』みたいな内容。
本社の社員のコメントで、
“こういうプロ意識の高い店員はわが社の誇り”みたいに書いてもらえていた。

あの親子投書なんてやるじゃねーか、と思って、さっそくトレーナーと浅見さんに自慢した。
「まぁ私が本気出せばこんなもんっすよwwww」と自慢したら、
「客に寿司パックを投げつけるあんたが、プロ意識高いなんて誰も思わないよwwww」と笑われて、
全然褒めてもらえなかった。

<>566名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)01:47:33.52ID:qbeA6oDO<>
ゲロガキはひどいwwwwwwww

っつーか客に寿司パック投げたりしてたのかww

<>576名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:49:56.69ID:WuCu4FE0<>
あ、ジュースはレジのお金から買いましたけどそれが何か

母ちゃんだけは、めちゃくちゃに褒めてくれた。
「あんた、やっぱりやればできるじゃん!」と言って、兄に電話で報告していた。
この当時は、母ちゃんが飴でトレーナーと浅見さんが鞭のような存在だったと思う。

そしてまた後日、本社から金一封が届いた。
中身は2000円だったけど、あの“お褒めの声”に対する、店へのボーナスだった。
トレーナーは、まるまる2000円を私にくれた。
「結果的にはあんたの成果だから」と言ってくれて、嬉しかった。
そして私はまた学んだ。
お褒めに言葉がもらえると、金になる。

<>587名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)01:52:54.20ID:3BuUVgDO<>
レジの金wwwwwwなのに二千円ww
すごいなww

<>590名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:53:14.60ID:WuCu4FE0<>

またお褒めの言葉がもらいたかったので、
子供が来る度に「吐かないかな?」と思ってそわそわしていた。
いつでもモップが取り出せるように準備してたのに、そうそう上手くはいかない。
トレーナーに相談したら、
「普段からお客様にサービス出来るようになりなさいよwwwwピザを見習いなさい、ピザをww」
と言われた。

ピザはその日も神々しく光っていた。
なんていうか、にかーーーーって笑顔で、表情筋が止まっているんだと思った。
あんなに笑うと目がなくなるのに、あれでお客さん見えてるんだろうかとたまに心配になった。

<>594名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)01:55:18.22ID:cayl4cco<>
大きなお世話wwwwww

<>599名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)01:58:47.07ID:WuCu4FE0<>

ピザはお褒めの言葉もらった事があるのか聞いてみたら、
「ないよwwだって、苦情を書く人はたくさんいるけど、
わざわざはがき代使って他人を褒めようって人はなかなか現れないもんだよ」と言っていた。
「マジっすかwwwwまぁ私も一回しかもらった事ないっすけどねwwww」
「あぁ、金一封もらってたよねークズ子ちゃんは頑張っているからな〜」
「いやいや、普通っすよwwww大した事じゃないっすwwww」

なんだピザも大した事ないじゃんと思いながら話していたが、それでもピザの接客は神々しすぎる。
あんなに神々しい接客でも褒めてもらえないなら、褒められた私はもっと凄いんじゃん、
と自信が持てた。

<>601名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:00:09.67ID:Rpi3CVgo<>
どこまで上から目線なんだよwwww
ピザ褒めろよwwww

<>606名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:04:13.00ID:UhJnQxgo<>
しかしピザっていいやつだな

<>608名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:05:22.32ID:WuCu4FE0<>

とりあえずピザの真似をしてみる事にした。
ピザの声を真似てみて、立ち方とかも真似してみた。
言葉使いもそのまま同じにしてみた。
初日に憧れた掛け声もピザの掛け声をそのままコピーした。

しかしだ、なぜか私にはあの神々しい光が発射出来ない。
かなり笑顔も頑張っているのに、なぜか駄目だ。

再びトレーナーに相談したら、
「ピザとあんたの一番の違いは、あんたには邪心があってピザにはない所だ」
と言われた。

「ピザはあんたみたいに褒めてもらおうとやっているんじゃなくて、
お客さんに気持ち良く買い物してもらいたいからああいう接客が出来るの。」
「あんたとピザじゃ根本が違うから無理だわねwwww」

げらげら笑われたのがむかついたけど、全て事実なので言い返す事が出来なかった。

<>609名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:06:09.75ID:kjS89fE0<>
的確過ぎるwww

<>615名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:10:35.35ID:WuCu4FE0<>

だったら、良いお客さんにだけは心から接客してみよう!と思った。
とりあえず愛想の良い上から目線じゃない客にだけは、
『この人のために笑顔を作っている、決して金が欲しいんじゃない』
と自分に言い聞かせながら対応してみた。

1時間で知恵熱がでた。

「あんた本当に邪心のかたまりだねぇwwwwww」
冷えピタを貼って、奥で食品に触らない仕事をしている私を指さしてトレーナーが笑った。
「邪心じゃなくて、お金が好きなんです」イライラしながら答えたら、
「なんでそんなにお金に固執するの」と聞かれた。
オヤジの事は話したくなかったので黙った。

<>630名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:19:23.82ID:WuCu4FE0<>

二ヶ月目の給料が出た。
なんか、毎日毎日ただ働くだけであっという間に時間が過ぎたので、
「もう金の日(給料日の事)か」と驚いたくらいだった。
2ヶ月目はほぼ無遅刻ほぼ無欠勤だったので、11万ちょっと入ってた。
やっぱり何とか税が引かれていた。詐欺だ。

11万は何に使うかなーと思ってた時に、兄の事を思い出した。
まだちゃんと働いてるよと報告した方がいいのか迷って、
母ちゃんに相談したら「絶対電話してあげて」との事だった。

電話して「今日二ヶ月目のお給料もらえた」と話したら、
兄は「来週どこかで時間作ってほしい」と言いだした。
母ちゃんと、妹と、私と兄の4人で、久々にご飯を食べようと兄が提案したのだった。

しかしそうなると、土日のどちらかになる。私は土日がどうしても休めない。
でも、きっと多分兄がご飯を御馳走してくれるだろうから、絶対行きたい。
翌日トレーナーに相談したら、
「土日に休まれたらうちの店がどれだけ迷惑するか分かってるのかうんちゃらかんちゃら」と怒られた。

事情を話せばよかったんだろうけど、
なんか家族の事話さなきゃいけないような気がして面倒だったので、
「遊びに行きたいから」と理由を説明したのだが、この理由がいけなかったんだろう。
だけど同時に、
土日に休むなと言われるという事は立派に店の力になれている証拠じゃね?と嬉しくなった。

怒っているトレーナーに、仏のピザが声をかけた。
「私が朝からきますから、クズ子ちゃんにお休みあげましょうよ」と、
仏は文字通り神の言葉をかけてくれた。

<>642名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:27:15.59ID:WuCu4FE0<>

「クズ子ちゃんずっと働きっぱなしだから、たまにはいいじゃないですかトレーナー」
「まぁ、ピザが来てくれるなら…でも、私遊の休みなんかこれっきりだからね!」
分かったら返事!と言われたので、勤め始めてから一番良い返事をかえしたと思う。

兄と会う気まずさはなかったと言えばうそになるが、家族みんなで会える事が何より楽しみだった。
でも、やっぱり一番喜んでいたのは妹だったな。
何着ていこうと言って、髪の毛のゴムとか新しく買ってたみたいだし、
カレンダーを見ては「あと何日寝ればみんなでお出かけできる」とうきうきしてたし。
妹は中学の卒業文集の「宝物」の欄に「家族(とくにお姉ちゃんv)」って書いちゃうJCだったからな。

可愛いだろ、お前ら存分に羨ましがれ

<>650名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:31:48.72ID:td5awCoo<>
羨ましいというか、妹が不憫でならんわwwwwww

<>652名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:33:10.30ID:WuCu4FE0<>

当日、都内で待ち合わせした。やはり顔を合わせると気まずかったが、
母ちゃんが「そんな葬式みたいな顔してないで、早く美味しいもの食べにいこう」と声をかけてくれた。
私はこの日、二ヶ月目にもらった給料11万をまるまる持ってきていた。
兄に見せたかったからだ。
有名らしいオムライスのお店に入って、すぐに封筒からお金を出して兄に見せた。

兄は一瞬びっくりしていたが、「何も現金そのまま持ってこなくてもww明細だけでいいだろwwww」
と笑ってくれた。

気まずい雰囲気だったけど、兄が笑ってくれてから一気に場が和んだと思う。

<>659名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:38:35.90ID:WuCu4FE0<>

兄は母ちゃんに、「俺、専門学校に行きたいから母ちゃん学資ローンの組み方を教えてくれ」
と言った。
システムエンジニアになりたいので、自分で必死に稼いで入学金だけは貯めたが、
学費だけはやはりローンしか無理みたいな話をしていた。
母ちゃんは、「わざわざクズ子や妹の前で話す事じゃない」と言って、
「あとでゆっくりね」と言ったが、兄は「いや、クズ子の前だからこそ話したい」と言った。

母ちゃんは諦めたように溜息をついて、
「専門行くくらいのお金なら母ちゃんが全部出してやる」と言った。
兄は、「それだけは絶対やめてくれ」と母ちゃんからの申し出を断っていた。

<>670名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:44:51.72ID:WuCu4FE0<>

法律上、母ちゃんを守る人や母ちゃんの家はないし、御墓だってない。
俺は長男なんだからオヤジの代わりをうんちゃらかんちゃらとかっこいい事を言ってたけど、
私は早くオムライスが食べたかったので兄の話を全然聞いていなかった。

全然話を聞いてない私を兄が叱った。
「お前も普通ならもうすぐ高校を卒業する年だろ?きちんと進路は考えているのか?」と言って、
厳しい顔をしていたと思う。
「将来はどうなりたいとか、夢はないのか?」
「とりあえず、お金に困らなければそれでいい」
「一生フリーターか?俺も数年フリーターしてたし、今もフリーターだけどかなり辛いぞ。
お前は出来るのか?」

兄がこんなに口うるさく言ってくる事なんか珍しくて、なんか嫌だった。
昔から、お説教は大嫌いだ。

<>671名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:46:02.77ID:e6dUuMM0<>
話はちゃんと聞けwwwwwwww

<>678名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:49:51.75ID:WuCu4FE0<>

「うるさいなぁ」と思わず言ったら、兄はびっくりした顔で私を見た。
『うるさい』と言われた事に驚いたのではなく、私の怒った顔に驚いているようだった。

「お前、人形みたいだったのに随分表情豊かになったじゃないか」と言って、なんか嬉しそうにしてた。怒ったり笑ったり驚いたり落ち着きのない人だと思った。

母ちゃんは兄に、「クズ子は仕事はじめてから変わった」と言った。
「“普通の18歳になった”」と言われて、私は今まで普通じゃなかったのか、と軽く落ち込んだ。
母ちゃんには言わなかったけど。
兄が「そういえば、お前…なんでそんなにほっぺたが丸くなったんだ?」と言った。
笑顔を作り過ぎたと言ったら、
「二か月でそこまで顔の筋肉が発達するなんてよっぱどだなww」とまた笑った。

<>681名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:51:26.89ID:CUO0YKY0<>
普通だと思っていたのか??wwww

<>689名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)02:55:31.30ID:IY62q6AO<>
むしろ普通な所を探す方が難しいわw

<>693名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)02:57:57.90ID:WuCu4FE0<>

「兄、大丈夫よ。最悪の場合クズ子はうちの会社で引き取るからww」と母ちゃんが言ったので、
「それなら楽でいいな」と言ったら、
「本気にするな、自分で頑張れ、人任せにするな」と母ちゃんと兄二人から同時に言われた。

ニートの時、頑張れなんか言われた事なかったのに、
社会人になって始めて家族から「頑張れ」と言われたと思った。

みんなでオムライスを食べて会計の時、レジの前で兄と母ちゃんがもめていた。
いわゆる「私が払う払う揉め」だ。
そんなのに最初から参加する気は皆無だったが、
レジにいたお兄さんがちょっと浅見さんに似てかっこよかった。
(浅見さんは女性なので若干失礼だがww)

そういえば今日私の財布には11万という大金が入ってる。
ここで財布をひらひら見せれば、かっこいいお兄さんに「お金持ち!」と思われる!
と考えたので、無駄にレジへむけて財布を見せびらかしながら、
「いや、私が払う。だって私だって一応働いてるし」と言った。
兄と母ちゃんが固まった。

<>706名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)03:08:52.22ID:WuCu4FE0<>

妹が、「お姉ちゃん、無理しちゃダメだよ」と言った。
兄も母ちゃんもうんうん頷いている。
なぜ私は払う払い揉めに参加できないのか考えたが、
みんな私が堅実家な事を知っているからだろうと気付いた。

結局、母ちゃんが全部払って
(兄に、あんたはこれから学校へ行くんだからお金使ったらだめ!と言ってた)
店を出て、4人で散歩して、帰った。

帰り際に兄から「お前、本当に払うつもりあった?」と聞かれたので、「ないよ」と答えたら、
兄は「良かった、クズ子らしいわww」と笑った。
母ちゃんが、「でもクズ子は、お寿司買ってきてくれたりするよ」と兄に伝えたら、
兄は「お前偉いなぁ!」と褒めてくれた。
妹も「お姉ちゃんのお寿司美味しかったよ」と言うし、母ちゃんも「あれはまた食べたいな」と言った。
兄も「俺にも今度食わせてよ」と言った。
イカとタコの寿司しかあげてないのに、母ちゃんも妹もこんなに喜んでくれてたなんて、
凄く嬉しいと思った。

<>829名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:13:24.06ID:WuCu4FE0<>

2ヶ月目の給料をもらったのでまた刺身を買おうと思っていた。
だけど、毎日まかないがもらえるし、毎日お店でネタを堂々とつまみ食いしてたので、
わざわざ自分で金を出す意味がないと思っていた。
だからといって、他に使うあてもない。
少し前なら遊びに出掛けただろうけど、
休日や仕事帰りに遊びに行くと朝寝坊する法則があるらしいので、遊びに行く気にもなれない。
クレヨンしんちゃんのDVDだって、わざわざ借りなくてもツタヤに行けば借りられる。
漫画やゲームは買っていたけど、11万まるまる使い切るほど欲しい漫画やゲームもない。
金の使い道に困るなんて初めてで、若干戸惑っていた。

<>833名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:20:15.37ID:WuCu4FE0<>

だけど、手元にあるとお金を使いたくなる。特に買いたくもない洋服だって買いたくなる。
ちょうど同じ時期に、妹の林間学校だか自然教室だかがあって、
それに使う大きなスポーツバッグを週末母ちゃんと妹で買いに行くと言っていた。
私は仕事だったけど、確か午前休とか午後休とかがあったんだと思う。
その買い物に一緒についていったので。
デパートで母ちゃんが
「クズ子にもなんか買ってあげる」と言ってくれたので、なるべく高いワンピースを探した。
高いブランドもののワンピースなんか着ていく場所もないけど、
買ってもらえるならとにかく高い物がいいよね!と思ったので、
売り場をぐるぐる探して、値札票を確認しまくった。

<>834名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)18:21:03.94ID:MpxoUBso<>
すがすがしいほどクズだ

<>843名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:26:38.67ID:WuCu4FE0<>

さっきも書いたけど、持っているお金をとにかく使いたかった私は、
おもちゃ売り場で絶対にいらないであろうぬいぐるみや、
クレヨンしんちゃんのキーホルダーとか筆箱とか、
目につくものすべてレジに持っていきたい衝動にかられていた。
お金に対する感覚が人よりちょっとだけずれていたんだと思う。

ピカチュウの馬鹿デカイぬいぐるみを見ていたら、妹が私を呼びにきた。
どうやら、スポーツバッグで欲しいデザインがいくつかあり、どれにしようか迷っているらしい。
どれがいいかなといって妹が選んでいたスポーツバッグは、なんていうか、
安っぽい生地の、デザインも男の子向けのバッグだと思った。

こんなのより、もっと可愛いデザインはたくさんあるのにと妹へ伝えたら、
「でも、普段使うわけじゃないのにあんまり高いの買うとお母さんに申し訳ない」と言っていた。

<>846名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)18:28:53.40ID:YjyXB2DO<>
妹相変わらず健気だな

<>849名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:32:32.27ID:WuCu4FE0<>

3万円くらいのワンピースを母ちゃんにねだる気満々だった私に比べて、
妹は3000円のスポーツバッグを真剣に選んでいる。
なんて謙虚な子だろうと思ったし、えらいとも思ったけど、
私は偉くなくていいし、謙虚じゃなくてもいいやと思った。

しかし、どれがいいとは言っても、どれもこれも残念なデザインばかりで、
(安いから当然だが)この中から選べと言われても困る。

妹に、「とりあえず値段は気にせず、妹が一番気にいったデザインはどれなの?」と聞いたら、
もじもじしながら某子供向けブランドのバッグを指差した。
当時、というか今もかもしれないけど、流行っていたんだよね、子供向けのブランド。
ベティーズなんちゃらとか、メゾなんちゃらとか。
妹が指差したバッグは、ピンクのリボンと可愛いキャラクターがついた、
まさに「可愛いJSのための旅行カバン」だと思った。

<>850名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)18:34:24.70ID:QrCxV4ko<>
妹かわいいなあ。

<>853名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:38:08.51ID:WuCu4FE0<>

値段は確か1万円とかだったかな、もっと安かったかもしれないけど覚えていない。
「これにしなよ、可愛いじゃん」と言ったら、妹が「こんな高いバッグ、お母さんに申し訳ない」と言った。
「母ちゃん稼いでいるから大丈夫だよ。私が母ちゃんに話してあげる」
「だめだよ、お母さんお金貯めてるんだから」

絶対だめだという妹がちょっと泣きそうだったし、
「でも、これが欲しいというとお母さんは買ってくれちゃうから、絶対黙っていてほしい」と言われた。

妹にバッグを持たせたら、なんとも似合っていた。
妹以外が使ったら駄目なんじゃね?このバッグ。とも思った。
衝動的に、妹を振り切ってバッグをレジへ持っていった。本当に衝動的に、だった。

妹が「いいよお姉ちゃん、いらないよ」と何度も言ってたけど、さっさとお金を払って、
大きい包みを妹へ渡した。
別に買ってあげるつもりじゃなかった。
ちゃんとレシートをもらったので、あとから母ちゃんにお金を返してもらおうと思っていたし。

<>860名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:44:27.79ID:WuCu4FE0<>

あくまでもお金は建て替えるつもりだった。し、
母ちゃんにすぐレシートが渡せるよう、綺麗に折りたたんでポケットへ常備していた。
「こんなとこにいたの」、とまもなくやってきた母ちゃんへ妹は飛びついて、
「お母さん!みて!お姉ちゃんが、妹に買ってくれたの!すっごく可愛いバッグだよ!」
と大騒ぎしていた。

「いや、違う」という前に、母ちゃんが目ん玉飛び出しそうなほど私を見て、
「クズ子!あんた…」と売り場で震えはじめてしまった。
母ちゃんが、涙目で「妹、お姉ちゃんにありがとうした?」と聞いて、
妹が力いっぱい私んい抱きついて「お姉ちゃん大好き!ありがとう!」と言った。
店員から「仲良しですね、良いお姉さまだわ」と言われて、
私はもう、後には引けないんじゃないかと思い泣きたくなった。

<>866名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)18:48:04.54ID:zR5.qz2o<>
引けないなwこれは絶対引けないw

<>867名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:48:26.38ID:WuCu4FE0<>

母ちゃんは、きっとめちゃくちゃ感動したんだろう。
デパートの最上階にあるレストラン街の、
一番一番奥にあった高いお寿司屋さんに、私と妹を連れていってくれた。
「クズ子は今日、一番偉かったから、一番たくさん食べなさい」と母ちゃんが言った。
もうむしろ寿司はいらないので、お金返して下さいと言いたかった。

でも、妹がカウンターに座ってからも、ずっとずっと大事そうにバッグを腕に抱えていて、
お寿司が来るのを待っている間、袋の合間から中身を覗いては、嬉しそうにしていた。
この日、10回以上妹から「お姉ちゃんありがとう」と言われた気がする。

<>870名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)18:52:53.08ID:3uOoLJIo<>
妹かわいすぎだろおい

<>871名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)18:53:21.35ID:WuCu4FE0<>

妹からお礼を言われると、悪い気はしない。
むしろ嬉しい。
11万あったお金が、10万に減った事は大きかったが、不思議と、まぁいいかと思えた。
以前、母ちゃんがいってた、
“相手のために使ったお金が惜しいと思わないなら、それは愛だ”
の言葉を思い出した。私は、妹へはちゃんと愛があるらしい。

その日の夜、母ちゃんと妹の二人で、買ったバッグを撮影大会していた。
母ちゃんは、「また社報にのせる!」と言ったので、
「大事な妹のためだもん、このくらいは当然だよ。
当然の事を社報に載せなくてもいいんじゃないかな(キリッ)」と言ってみた。
母ちゃんはえらく感動していたようだった。

<>878名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:01:21.96ID:WuCu4FE0<>

それからまた一カ月、3ヶ月目の給料がもらえた。
また何とか税が引かれていた。詐欺だ。
3ヶ月目のお給料がもらえた時点で、手元に前月分のお金が3万円残っていた。
ひと月のお給料はその月に使い切らなきゃ!
となぜか思っていた私は、今日中に3万円を処分してしまいたかった。
なので、前に母ちゃんに連れて行ってもらったあの寿司屋に行こうと思った。
だけど場所が分からないというか、都内な上に駅からも大分離れていた記憶があったので、
母ちゃんに車を出してもらおうと思った。

母ちゃんに、「お給料出たから、お寿司を食べに行きたいので車を出してほしい」と伝えたら、
二つ返事が返ってきた。なぜか妹も同乗して、3人で出かけた。
店についたので、「2時間くらいしたらまた迎えにきて」と言った。
母ちゃんは「何を言ってるの??」と言って、一緒に車から降りてしまった。
どうやら一緒にご飯を食べるつもりらしい。
でも、会計は別々だからね、と念を押した。
母ちゃんは、「いいわよ、出してあげるから」と笑った。
「自分の食費を出そうなんて、クズ子も大人になったわね」と嬉しそうにしていた。
なんか誤解されていると思った。

<>886名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:05:28.04ID:WuCu4FE0<>

私は、3万円分の寿司を自分で食い散らかしたかっただけなんだけど、
母ちゃんは「クズ子が家族にご飯を御馳走しようとしてる」と思ったらしい。
「本当、私は自分で食べたいもの食べてお金使いたいだけなの」
「はいはい分かってるからww」
「今日中に使いたいんだよ、3万円」
「はいはwwwwクズ子は照れ屋よねwwww」

母ちゃんには日本語が通じないらしいので、
板前さんに「この人たち(母、妹)とは会計別々ですからね」と伝えた。
すかさず母ちゃんが
「この子ったら、社会人になりたてでやっと稼げるようになって、自立心が芽生え始めたんですよ」
と板前さんに言った。
板前さんも「姉ちゃん偉いな」と言った。
みんな誤解しているけど、まぁいいかと思った。

<>889名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)19:07:54.56ID:oC2FM2.0<>
なんと言う褒めて伸びるタイプ・・・

<>892名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:11:52.51ID:WuCu4FE0<>

多分このお店は母ちゃんが会計してくれるだろうから、3万円使えない。
やっぱり無理してでも一人でくればよかったかなと少し後悔したが、
久しぶりに3人そろって食べるご飯が美味しくて、どうでもいいか、と考え直した。

お会計の時、板前さんはなぜか私に伝票を差し出してきた。

そういや「会計別々ね」と伝えてあったっけと思ったので、母ちゃんに伝票を渡そうと思った。
だけど、母ちゃんは手洗いにいっていなかったのでとりあえず払っておいた。

会計額は覚えてないけど、3万円じゃ足らなかった気がする。
それもそのはずだ、だって3人分の会計だったから。
手洗いから帰った母ちゃんが、会計のお釣りをもらっている私を見て涙ぐんだ。

板前さんは「親孝行な姉ちゃんのためにサービスしときましたよ、お母さん」と言った。
またしても引けない状況に陥った。

<>896名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)19:13:28.89ID:KjXL9.2o<>
孔明の罠が張られすぎてるだろwwwwwwww

<>900名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:16:16.53ID:WuCu4FE0<>

帰りの車の中で、どんより落ち込んでいる私を妹は気にしていた。
「食中毒?」「具合悪い?」と気にかけてくれて、ペットボトルの水をくれたりした。
帰ってから、リビングへ母ちゃんに呼ばれた。
母ちゃんは先ほどの店の領収書を出せと言ったので渡した。
領収書の金額よりも少し大目の金額を私にくれた母ちゃん。
「家族に御馳走しようとしてくれた、その優しい気持ちだけで十分だから、とっておきなさい」と言った。「母ちゃんが定年迎えたら、その時奢ってくれたらいいからww」と言った。
ありがたくもらおうとしたけど、なんかこれをもらったらかっこ悪い気がした。
だから、「じゃあ半分だけもらう」と言って、半分だけもらって、半分は母ちゃんに返した。

<>909名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:22:06.76ID:WuCu4FE0<>

妹のバッグの件と立て続けだったので、もう家族と出かけるのはしばらく控えようと思ったけど、
やっぱり悪い気はしなかった。
何気なく次の仕事の時、トレーナーにその話をしたら、
来る日も来る日もパートのおばちゃんたちに
「あんた、お母さんに給料で高級寿司ごちそうしたんだって!?偉いわね〜」と褒められた。
浅見さんと同じシフトの日、「あんた偉かったらしいじゃん。トレーナーに聞いたよ」と言って、
その日のまかないを浅見さんが作ってくれた。
浅見さんが自らまかないを作ってくれる事なんか、とても珍しい。
褒められまくって嬉しかった私は、
仲良しになりつつあったあの例のゲロガキ親子にもちょっと自慢してみた。
ゲロガキの母親は、「聞いた?ゲロガキちゃん、クズ子お姉ちゃんは親孝行で偉いわね〜」と言って、「ゲロガキちゃんも、将来クズ子ちゃんのような立派なお姉ちゃんになるのよ」と言った。

<>919名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)19:27:33.76ID:WuCu4FE0<>

ピザにも「クズ子ちゃん偉いよね、トレーナーや浅見さん達がほめてるの聞いたよ」と言われた。
「まじっすか、浅見さん何て言ってました?」
「あの子、最初はどこの不良娘かと思ってたけど、ガッツもあるし、親孝行な良い子だって言ってたよ」
「浅見さんがそう言ってたんですか?」
「うん」
「えぇえ?wwwwwwマジっすかwwwwすみません、
最後のほうよく聞こえなかったんでもう一回言ってくださいwwwwえ?
浅見さんはなんて言ってました??え?え?」
「あ、だからね(略 」

結局ピザに同じこと4回言わせた。
親孝行すると、浅見さんが褒めてくれるらしい。

しかし、これを書き始めて改めて思ったが、
私は『金がもらえるからこうしよう!』『褒めてもらえるからこうしよう!』
という直観だけで生きてきた人間なんだと改めて思う。

<>943名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:12:18.76ID:WuCu4FE0<>

〜クズ子条例第浅見条〜

親孝行をしようっていったって、働くだけで親孝行出来てるんだから別にいいんじゃね?
と本気で思っていた私。
何をしたらいいか分からないので、兄に相談した。
兄はもう専門学校の入学手続きも済んでおり、
9月生とかいうので9月の半ばには入学するんだと言ってた。
1年間の学校で、そこでPCの事を学ぶんだと。
全然興味がないので、兄の学校の話はほとんど聞かずに、「親孝行のやり方」を聞いた。

<>947名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:18:05.20ID:WuCu4FE0<>

「なんで突然親孝行したくなったんだ?」と言われたので、
寿司屋の一件で周りから褒めてもらえた事を話したら、
兄は「お前、ほんと頭の中は幼稚園児と同じだなww」と笑った。

兄は、まずは私自身が落ち着けといった。
親孝行をするためには、まず自分自身のきちんとした土台が必要なんだと。

「とりあえず貯金してみろよ」と言われたので、「それだけは嫌だ」と言った。
貯金のように手元にお金を残すと、あぶくのように消えてしまうと本気で思っていたからだ。
昔はお年玉を貯金したりしていたが、それも昔の話。
金銭感覚がちょっとおかしい私は、
手にしたお金をすぐに使ってしまわないと不安で不安で仕方なかったので、
貯金なんぞするくらいなら妹に小遣いとして全額くれてやった方がまだましだと言った。

多分、ここにいる人は私のこの感覚を理解できないと思う。
私も、今となっては当時の私の感覚が理解できないからだ。

<>950名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)20:21:09.09ID:YjyXB2DO<>
父ちゃんの件のトラウマかな?
なんか切ないな

<>953名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:27:31.31ID:WuCu4FE0<>

兄は、私はまず正しい金銭感覚を覚える事からはじめなきゃいけないなと言った。
「お前、なんかやりたい事はないのか?」と聞かれた。
ぱっと浮かんだのはどんぶりいっぱいのウニを食べる事だったのでそう答えたら、
「そうじゃなくて、もっと大きい事だよww」と言われた。
私にとってウニをどんぶりいっぱい食べる事は大きな事だったので、
そう反論したら、「じゃあ、ウニをたくさん食べる事を目標にして、ウニ貯金しろよ」と言われた。

ウニを大量に食べるには、おそらく1万円くらいのお金が必要だ。
そしたら、毎月1000円ずつ貯金すれば10カ月後にウニが食べられる。

そんな事しなくても給料もらってすぐに1万円使って食えるじゃんwwと兄を馬鹿にしたが、
ここで大事なのは“ウニを食べる事”じゃなくて、
“ウニを食べるためにお金を貯めた事”が大事になるんだと言ってた。

「だって今月すぐに食べられちゃったら、来月はどうすんだよ。また違う目標探すのか?」
「もちろん毎月毎月でもいいけど、いきなりばーっと食べちゃうより、
こつこつ貯めてからやっと食べられた方が達成感があるだろ?」
「お前、死ぬほどイカとタコだけを握り続けてやっと握れた時嬉しかったって言ってたじゃん」
「それと一緒で、こつこつやり続けて達成できた時に、
はじめて“1万円のお金と、ウニの価値”が分かるから」

だまされたと思ってやってみろと言われて電話を切った。

<>958名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)20:32:24.63ID:nT4NN2Uo<>
兄かっけぇ・・・

<>959名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:33:30.16ID:WuCu4FE0<>

母ちゃんにその話をしたら、母ちゃんはウニ貯金に賛成してくれた。
毎月1000円くらいなら、手元に残ってもまだ我慢できる。
さすがに1万とか2万とか残ってしまうと怖いけど、1000円なら、と。
母ちゃんが、「やるならとことんやれば?」と言って、
ウニ貯金がたまるまで職場でうにを食べるのを我慢してみたらどうかと言われた。

確かに良い案だとは思うけど、ウニがない生活に耐えきれるかどうか不安だ。

本気で頭を抱えている私を見かねた母ちゃんが、
「じゃあ、月々3000円にして、最後の月だけ4000円。それで三か月のスパンで考えたら?」
と提案してくれた。
三か月ならまだ我慢できるけど、3000円残すには少し不安が残る。
でも、これをやれば親孝行ができて、いっぱい浅見さんに褒めてもらえる!
と思っていた私は、三か月だけ頑張ってみようと思った。

<>963名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)20:35:36.72ID:f7MwycAO<>
浅見さん前提wwどんだけwwww

<>964名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:39:20.62ID:WuCu4FE0<>
しかし、私は腐っても心根はニートだ。
三か月のスパンは長過ぎた。三か月も待ってられないと思った。
母ちゃんに相談したら、「じゃあ、週貯金に切り替えろ!」と言った。
毎週3000円ずつ“貯めているつもりで、貯金箱へ入れる”
そうすれば、一カ月でウニ貯金が完成するという訳だ。

「まずは一カ月ずつでいいから、少しずつ間隔を広げていけばいいよ」と言われて、
一カ月なら何とか頑張れると思った。
どちらにしても、一カ月で金を使い切る、という事には変わりないしな。

<>969名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:45:32.00ID:WuCu4FE0<>

貯金を始めた、とトレーナーに伝えた翌日からすぐ、またパートのおばちゃん連中に褒められた。
浅見さんも、「あんた、貯金してるなんて偉いじゃん」と褒めてくれた。
褒められて嬉しいけど、どうしても金銭的な物は、人から褒められてすぐに変われる物ではない。
週にたかが3000円、いつも使うはずのお金を使わないで我慢しているだけで本当に辛かった。
貯金箱に入れたお金が消滅する夢を何度も見て、財布に戻してしまいたい衝動にかられた。
その度に母ちゃんから「やればできる!」と怒鳴ってもらい、自分に喝を入れていた。
これも全てはウニのため、いや、浅見さんのためだ。
浅見さんに褒められたい。いい子だと思ってもらいたい。
そしてまたお褒めの言葉とかをもらいたい。
(常連の客にも貯金の事は話しまくっていたので)そして、金一封だ。
そんなピュアな気持ちで、貯金を頑張った私。一ヶ月目は無事に成功した。

<>973名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)20:50:57.05ID:nB4y87Yo<>
そんなんで投書しねーよwwwwww

<>976名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:51:27.04ID:WuCu4FE0<>

一ヶ月目、貯金箱に入った1万円分の1000円札を慌てて数えた。
一枚もなくなっていないし、まして消滅もしていない。
お金が消えなかったという当たり前の事で腰が抜けるほど安心した。

母ちゃんに10枚の1000円札を見せたら、
母ちゃんは「母ちゃんよりも先に、クズ子はクズ子自身を褒めてあげなさい」と言った。

「偉かった、頑張ったと言ってごらん」と言われたので、
口にだして言ったら、なんかめちゃくちゃ気分がよくなった。
そのあと、母ちゃんと妹にもみくちゃにされながら褒めてもらった後、
さっそくアマゾンでビン詰めのウニを1万円分注文した。

数日後に冷凍で来たウニ。
冷凍なので若干風味は薄いけど、それでも一カ月ぶりのウニの味はたまらなく美味い。
妹や母ちゃんにあげようなんていう気はさらさらないので、
一人で、その日一日で全部のウニを食べきった。

<>983名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)20:59:41.86ID:3BuUVgDO<>
一万円分ってどれくらいかなぁ?

983
ビンいっぱいのウニを2個と、少し大き目の桐箱に入ったウニ1個分。

<>984名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)20:59:53.38ID:WuCu4FE0<>

ただ何の目標もなく貯めているお金は、私にとったらないお金と一緒だった。
だから貯金だけは怖い。
けど、目標貯金(別名寿司ネタ貯金)は、明確に使い道が決まっているので、
回数を重ねるごとに当初あった“貯金箱からお金がなくなるかも”という不安は消えた。

週貯金を月単位に出来たのは、確か寿司ネタ貯金をはじめてから1年はかかったと思う。
そのくらい、月をまたいでお金を残すという事の不安は大きかった。

しかし気付けば、寿司屋の最終扇、太巻きも巻けるようになったし、
妹も中学に入学したし、兄もSEの卵として就職していた。

貯金に夢中で毎日が早くて、本当、あっという間に私は20歳を目前にしていた。
なんだかんだで、寿司屋でバイトを始めて2年を経過していた訳だ。

<>985名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:01:43.78ID:3BuUVgDO<>
2年とか凄い!頑張ったんだね

<>988名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:02:36.44ID:x4ZeY4wo<>
984
職人っすね。

<>29名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:13:12.86ID:WuCu4FE0<>

20歳は成人式というものがあるらしい。
だがしかし、そんなものには全く興味がなかった私は、
成人式よりもお祝いがもらえる事が楽しみだった。

親戚もほとんどいなかったけど、母ちゃんと兄がくれると言ってたので、
もらったらすぐ貯金箱にいれようと思っていた。

確かこの時、20歳を迎える直前で、結構大きなスパンで貯金をする事にチャレンジしていたので、
少しでもお金を貯めたかった。

何を買おうとしてたかって?まぐろの頭だよ。
20歳の女が買うもんじゃねーよwwwwと、今なら思うけど、

当時は本気で欲しかったんだ。

<>41名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:18:58.02ID:WuCu4FE0<>

とにかく大きなまぐろの頭が欲しくて、予算3万円、月々3000円の10カ月スパンを考えていた。
仕事も楽しかったし、とにかくたくさん店にいたかった。
トレーナーが、「あんたもうすぐ成人式だから、成人式用のバッグを買ってやる」と言ってくれた。
そんなもんいらないからお金下さいと言ったら、
「あんたは、変わったけど変わってなくていいねww」と返された。

きっとトレーナーからしたら、どっかのDQNを更生させた気分だったんだろう。
いや、それもあながち間違っていないけどさ。

<>43名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:20:46.62ID:OJBBP/Qo<>
ブレてねえwwwwww

<>47名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:23:55.12ID:WuCu4FE0<>

2年間いた店に凄く愛着がわいてたし、売上が悪いとトレーナーと一緒になって落ち込んだ。
たかが2年間だけど、私にとってこの2年間はただバイトをしての2年間じゃないからな。
思い入れが半端なかった。
ある日、新規っで始めるフェアのポスターをパートさん達で手作りしようという話になった。
もちろん本社からポスター買えば済む話なんだけど、経費削減とかいって、みんなで作る事になった。
チェーン店だと、メニュー表とかポスターを手作りしている店は多い。

<>50名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:29:28.52ID:WuCu4FE0<>

ポスターは全部で2枚。1枚はトレーナーが描いて、もう一枚はパートの誰かが描く事になった。
しかしおばちゃん連中、誰も書いてこようとしない。
「うちは孫が来てるから駄目」とか「子供がいたずらしちゃうかもしれないから」とか言って、
ポスター作りを嫌がっていた。
見かねた浅見さんが「私がやるからいい」と言ってポスター用の白い紙をふんだくった。

明らかに不機嫌な浅見さんにトレーナーがこっそりと「悪いね、ちょっと手当付けるからさ」と伝えた。
だから「お金出るならやります」と言って、浅見さんから白いポスター用紙を受け取った。
絵を描くのは嫌いじゃないし、何よりもお金が増えればまぐろの頭が早く手に入ると思ったからだ。

<>57名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:34:32.45ID:.fK4NIAO<>
魚以外に興味はなかったのかwwwwww

<>56名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:34:23.99ID:WuCu4FE0<>

家に帰ってから描き始めてみたら、意外と夢中になった。
学生の頃から、図画工作や学級新聞とか、作文とか大好きだったからな。
得意とは言わないが。
一日で描き終えてしまい、翌日すぐにトレーナーに提出したら、トレーナーが驚いてた。
「あんたこれ一日で描いたの?」というので、そうですと返事したら、
トレーナーは私はポスター作りの才能があると褒めてくれた。
パートの人もみんな褒めてくれた。
トレーナーが、「また追加で手当て出すから、新しいメニュー表も作って」と言った。

お金がもらえるなら何でもやるので、これも一日で作った。
また褒めてもらった。
物作りが得意なのかもしれないと思った。

<>58名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:35:52.91ID:KjXL9.2o<>
秘められた才能が世に出た瞬間だったwwwwwwww

<>63名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:40:28.45ID:WuCu4FE0<>

時系列がぐちゃぐちゃで申し訳ないが、妹が中学校に入学する時、体操着袋が欲しいと言ったが、
気に行ったものが見つからず、くりくりと描いたイラストを見せて
「お姉ちゃん、こんなの欲しいんだけどないかな?」と聞いてきた。
なんか花のポケットがついたかわいいやつだったけど、
これとまるっきり同じものはどう考えてもないだろうと思ったので、安い生地を買ってきて作ってみた。
裁縫なんかしらなかったし、型紙?縫い代?なにそれおいしいの?状態だったくせに、
自画自賛できるくらいの物は作れた。
頭で想像した物をそのまま形にする事は得意だった。
てっきり何の取り柄もないと思っていたが、意外な所で取り柄を発見した訳だ。

母ちゃんが珍しく店に買い物に来た。
トレーナーに挨拶をして、私が作ったポスターとメニュー表を見ていた。
寿司を買って帰った母ちゃん。
家に帰ってその寿司を一緒に食べながら、母ちゃんはオヤジの話をし始めた。

<>64名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:41:51.19ID:kmogSzY0<>
これは伏線か・・・?

<>65名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:43:54.17ID:WuCu4FE0<>

私は、オヤジによく似ているらしい。
オヤジも勉強さえできなかったが、一時期絵描きを目指して大学まで進んだらしい。
何がきっかけで大学を辞めて、
あんな詐欺まがいな営業職についたのかまでは母ちゃんは話さなかったけど、
「あんたがオヤジの血を引き継いでくれて嬉しい」と言っていた。

あんなオヤジに似てるなんて絶対に嫌だったので、
私の方が立派だよ、貯金してるじゃんと反論した。
母ちゃんは、「オヤジの良い所だけを引き継いでくれたっていう意味だよww」と言ってた。

<>66名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)21:44:05.15ID:M8xkRPk0<>
ついに親父来たか

<>71名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:47:19.98ID:WuCu4FE0<>

オヤジの話を聞くと私があからさまに嫌な顔をするので、
いつからか母ちゃんも妹もオヤジの話はしなくなっていたのに。
なぜ今そんな話をするのかと思っていたら、妹も入学したし、あんたも成人するし、兄も就職出来た。その記念に家族写真を撮りたいんだと言っていた。
もちろんオヤジも一緒に。

オヤジ抜きなら撮ってもいいけど、オヤジがいるなら嫌だと言った。
母ちゃんはそれ以上何も言わなかった。

<>73名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:53:14.64ID:WuCu4FE0<>

ある日、母ちゃんに連れられて着物屋さんに出かけた。
成人式用の着物を見に来たらしい。
成人式なんか出ないし、そんなもん出るくらいなら働きたいし、
成人式の日は寿司屋めちゃくちゃ忙しいからな。
休んでいられない、とわめく私を無視して、母ちゃんは着物屋さんの店員と話をしていた。

母ちゃんは、「これから一生、クズ子から何の親孝行もいらないから、
お願いだから成人式だけはきちんと迎えてほしい」と言った。

母ちゃんが20歳の頃、母ちゃんの母ちゃん(私のばあちゃんだね)は、
成人式なんか贅沢な人が迎える事だといって支度をしてもらえなかったらしい。
そこで母ちゃんは、自分でアルバイトをして着物を用意したんだと。
でも、みんな家族を連れて着物屋さんに来てるのに、自分は一人だけで凄く寂しかったと言っていた。

母ちゃんは、20歳の頃に、絶対自分に娘が出来たらとびっきり良い着物を着せてあげよう!
と決めたらしい。

「母ちゃんの夢を押しつけて申し訳ないけど、お願い」と言われた。
母ちゃんの、そんな悲しそうな顔を見るのが嫌だったので、しぶしぶOKした。
ほとんど乗り気ではなかったけど。

<>77名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)21:58:46.11ID:WuCu4FE0<>

赤とかピンクとか青とか、よく見かけるような着物は嫌だと思った。
なので、「一番珍しい着物がいいです」と店員に伝えたら、店員は苦笑いしていた。
黒や紫じゃ、私の無愛想顔ではまるっきり“あっち”の人にみえてしまう。
だからといって、体が小さいので明るい色も似合わない。

そこで母ちゃんが提案したのが、白い着物だった。
白い着物に花の柄が入ってるやつ。
試着したらなかなか綺麗だったので「これがいい」と言ったら、母ちゃんはバッグから封筒を出した。
封筒の中身は、間違いなく札だろう。
現金一括払いかよ、というか、レンタルじゃなくて購入する事にしていた事に驚いた。

<>88名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:05:32.17ID:WuCu4FE0<>
着物も帯もかんざしも、まとめて全部現金払い。
カウンターで、どさっとおかれた現金に目がくらみそうだった。

帰りの車の中で、あのお金は、
ずっと昔から私の成人式の着物を作るために貯めていたお金だったと教えてもらった。

「あんたが今やってるまぐろ貯金と同じだよ」と言っていた。
今はまた妹の着物貯金もしているらしい。

私はまぐろ貯金しかしていないけど、母ちゃんはいくつも貯金しているようだ。
「何貯金があるの?」と聞いても教えてくれなかったけど、
少なからず、自分のためにしている貯金なんかほとんどないんだろうなと思った。

私は将来母親になっても、母ちゃんほど子供に愛をそそぐ自信がない。

<>95名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:14:14.55ID:WuCu4FE0<>

トレーナーに母ちゃんに着物を作ってもらったという話をしたら、
トレーナーと、あともう一人一緒にシフトで入っていたおばちゃんが、
「今時着物作ってくれるお母さんなかなかいないよ」と言った。

どうせ人生で着る回数なんか限られているし、
そんなもんに何十万もかけてくれる親はなかなかいないんだと。
あんたは幸せ者だと言われた。正直嬉しいと思った。
今も昔も、母ちゃんが褒められると嬉しくなる。

またある日に家に帰ったら、妹が泣いていた。どうかしたのかと聞いたら、家が壊されると聞いた。
前に住んでいた家だが、もうオヤジもいないし、
所詮土地の権利はオヤジの親戚がもっているので、ついに取り壊されて駐車場になるらしい。
法的手続きを取ったあとだからヤクザが来るという事もないだろうが、
建物があるだけで物騒だとか何とか近所の人にも言われたんだと。

<>96名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)22:16:32.92ID:x4ZeY4wo<>
悪い事があっても、思い出の家か

<>100名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:26:52.18ID:WuCu4FE0<>

うわまた消えたしほんとだめだ専用ブラジャーならきえないのかよ
ちくしょうF5め妊娠させなきゃわからないのかよちくしょう

数日後に家を見に行くと、すでに家の原型がなかった。
うっわwwwwwwwwやべぇよwwwwまじねえよwwwwwwwwww
と半分パニックになったのですぐに家へ帰った。
ここから数日後に、母ちゃんと妹と3人で不動産屋へ行く話に繋がる。
時系列めちゃくちゃでごめんね。

家が壊されてから、前家の近所でオヤジの噂が立った。
もちろん元々隣家には有名だったけど、
今回はおばちゃんネットワークであっというまに広がったんだろう。
あるおばちゃんなんか、わざわざ私が寿司屋でバイトしてる事を嗅ぎつけて
「クズ子ちゃん、お父さんの事大変だったわね〜」と言いにきたりもした。

ずっとかくしていたのに、寿司屋の中でオヤジの事がばれた。

<>109名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:30:48.80ID:WuCu4FE0<>

ババァの偏見の目は凄いぞ。
全然話した事もないようなパートのおばちゃんが突然優しくなって、
何かと思ったら「御父さんいくらくらい借金あったの?」とか、
「大変だったでしょう、それで高校も行けなかったの?」とか聞いてくる。

レジのお金盗られたら困るわよねーとか、あの子前は水商売してたんじゃない?
入ってきた時に髪の毛あかかったから、とか。
私に聞こえないようにこそこそ話しているつもりでもつつぬけなんだよね。
ウザイ、本当にウザイ。うざすぎてうんこしたくなるくらいウザイ。

<>121名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:40:50.52ID:WuCu4FE0<>

一番悲しかったのは、トレーナーの態度が変わった事だ。
あんなに可愛がってくれていたのに、冷たくなってしまった。
トレーナーにも偏見の目で見られているんだと思った。

浅見さんだけはケロっとしてて、私に「気にしたらあんたの負けだからね」と言ってくれたけど、
他のババァならともかく、トレーナーの事はとにかくショックだった。
トレーナーは第二の母ちゃんみたいな存在だったから、母ちゃんに見放された気分になった。
浅見さんに励まされても、ピザが私のためにお菓子を大量に差し入れてくれても、
全然元気が出ない。
もうバイトに行くのが嫌で、また遅刻癖がぶり返した。

<>127名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:45:33.42ID:WuCu4FE0<>

母ちゃんにも話せなかった。
だって母ちゃんは、社会復帰した私を自慢に思ってくれている訳だから、
ここでくじけそうだと弱音を吐いたら、
母ちゃんもトレーナーみたいに私を見放すんじゃないかと心配になった。

ある日に浅見さんは、
「トレーナーは、あんたが自分で話してくれなかった事がショックなんだよ」と言った。
なんでそんな事話さなきゃいけないのかと思ったけど、
「トレーナーはあんたの事、自分の子供みたいに思ってるから、
何でも相談してほしかったんじゃないかな」と言った。

別に家の事で悩んでないし、なんでわざわざ不幸自慢しなきゃいけないのか分からない。
それに、私の事を子供のように思っていてくれたんなら、今!今じゃん!
今わたし超立場がふりなんだから、今助けてくれよ!と思ったし、言ったと思う。
浅見さんは、それ以上何も言わなかった。

<>140名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)22:57:02.69ID:V6DoOCM0<>
トレーナーは、親身だったからこそ、
ちぃとヘビーでどう接したものかわかんなくなっちまったんかね。

<>131名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:50:02.74ID:WuCu4FE0<>

行きたくないし辛いし、もう嫌だと思ったので、バイトを辞めようと思った。
ていうか、やめた。
トレーナーに、「今月でやめます」と言ったら、「分かった」としか言わなかった。
ここで逆行に立ち向かおうなんていう精神は、あいにく持ち合わせていなかった。

バイトをやめた事を母ちゃんには言えなかった。
まるでリストラされたオヤジのように、バイトをしているふりをして、時間になれば家へ戻る生活をした。
まぐろ貯金のおかげと、
辞めたその日に「あとから取りに来るのは来づらいだろうから」
とトレーナーは給料を用意してくれていて、中を見たら、かなり色をつけてくれていた。

だからお金もあるし、
2年前のニートクズ子なら、これだけお金があれば1年はニートでいられただろう。

<>134名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)22:55:03.88ID:WuCu4FE0<>

だけど母ちゃんにはすお見通しだったようだ。
「あんた、最近寿司の匂いがしないけどちゃんとバイトしてる?」と聞かれて、白状した。
何もかもオヤジのせいだと母ちゃんを怒鳴りつけたら、
母ちゃんも一緒になって「そうだそうだ!よく言った!」と怒鳴った。
大きい声を出したら泣けてきたので、母ちゃんにすがりついてわんわん泣いたと思う。

驚いたのは、辞めた事を後悔していた事だ。
諦めの速さだけは自信があったはずだし、何でも「まぁいいか」と思える精神だったのに、
人の目なんか気にしないはずだったのに、辞める直前、それが全部出来なくなっていたと思う。

<>148名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:03:17.95ID:WuCu4FE0<>

浅見さんは最後まで味方でいてくれたし、
ピザだってなるべく私とシフトが重なるようにしてくれたのに、
そんな好意を無にして、目の前の辛い物から逃げ出してきた後悔で、頭が痛かった。

母ちゃんは、「それで後悔しないの?あんた本当に後悔しないの?」と聞いた。
後悔している事も、母ちゃんはお見通しのようだ。

少しでも後悔しているなら、今からでも遅くないんだよ、
と母ちゃんは復帰を促してくれたけど、トレーナーの顔を見る勇気がない。

抜け殻のようになった私は、またニートに戻って毎日部屋に引きこもる生活を送った。
働こうとは思わなかった。働く=傷つくと覚えた。

目標がない人間は本当に駄目になると思った。
毎日うんこして食って寝るだけだ。

ある日2ちゃんを見たら、「働かざるもの食うべからず」と書いてあった。
じゃあ食わねーよ!とむきになって、一週間ポカリだけで過ごした。真症のバカだったと思う。
まだ2年前の方が家事もしてたし、良かったと思う。

<>153名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:10:13.66ID:WuCu4FE0<>

出来あがった着物が届いたけど、見る気にもなれなかった。
当然、オヤジにも会いたくなかったので、家族で記念写真の話なんか絶対に嫌だと言い続けた。

成人式の手前で、私は20歳の誕生日を迎えた。
全然嬉しくなかったけど、もらえたプレゼントが嬉しかった。

母ちゃんから新しいミシンと、兄からは覚えてない(なんか洋服とかだった気がする)
妹からは120色入りの色鉛筆と、スケッチブックをもらった。
このスケッチブックは嬉しかった。毎日狂ったように絵を描いた。
前に寿司屋でポスターを描いた時、楽しかった事を思い出したし、絵を描くと時間潰しにもなる。

そしてミシンも嬉しかった。前も書いたけど、頭の中で思った物を形にするのは得意なので、
“どういう作りなんだ?”というアニメとかのキャラクター衣装を作るのが得意だった。
もちろん余り布とかで形だけ作ってるだけだったので、
特に着る事もなく作っては捨てていたけど、それでも楽しかった。

<>164名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:19:14.12ID:Rpi3CVgo<>
完成品を思い浮かべられるってのは
物つくりをしていく上で貴重な才能だぞ

<>167名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:22:22.33ID:.mPPoDUo<>
164
それもノウハウなしでだから生半可な才能じゃないな
この手のセンスは努力し続けても、ついには身につかない人間もいる

<>158名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:15:36.17ID:WuCu4FE0<>

ある日に、妹が昔好きだったアニメのキャラクター衣装を作ったら、
妹が「お姉ちゃん、これインターネットとかで売れば?」と言った。
お金もそろそろつきていたし、昔やったバザー感覚で、
いっちょオークションに出品してみるかと思った。

材料費2000円くらいの物が、20000円で売れた。
妹に着せて撮った写真が良かったのか、明らかに男性ですね、という方が落札してくれた。
調子にのってもう一つ出品したら、こっちは12000円で売れた。
時期的に冬の大きなイベント前で良かったのかもしれない。

<>159名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:17:09.62ID:uMMCDHk0<>
すげええええええええええええ

<>160名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:17:39.64ID:.mPPoDUo<>
はい、心当たりのある男性は挙手してくださいーw

<>165名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:19:34.63ID:WuCu4FE0<>

母ちゃんにその事を話したら、「自分でビジネスするのは色々と大変だよ」と言った。
いくら以上稼ぐと税金がどうので、確定申告がうんたらかんたらと言われた。

別にこれを仕事にしようとは思ってなかったので聞き飛ばしていたけど、
それでもまたやる気というか、楽して金が手に入る!精神が目覚めてきた。

衣装作りは苦じゃないというか、多分前世は洋服屋だったんだと思う。
一日に2着作るのは余裕だったし、見かけも悪くない。
ただ、いくらモザイク入りとはいえ妹の写真を使うのは怖かったので自分で着て出品した。

妹の写真を使った時よりも落札金額が低かったのはなぜだろうか。

<>170名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:24:59.91ID:WuCu4FE0<>

ひと月で、結構な金額が稼げた。
母ちゃんが、「○○円は税金として申告して提出しなきゃダメなんだからね」と教えてくれた。
だけど、ひと月でこれだけ稼げてしまっていいものなのかちょっと怖くなった。

ある日母ちゃんが、「今度うちで新しい缶を作ろうと思うんだけどアイディアない?」と聞いてきた。
そういうのを考えるのは大好きなので、一晩中缶のデザインを考えた。
翌日母ちゃんにデザイン画を渡して見せたら、母ちゃんは驚いていた。
「あんた絵上手くなったね」と褒めてもらった。
一日中ずっと絵を描く生活をしていたので、画力が上がったんだと思った。

デザイン画を持って、母ちゃんが「これが通れば、母ちゃんの株も上がる」と言った。

<>175名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:29:32.28ID:WuCu4FE0<>

絵の勉強がしたいと思った。
いわゆるアニメ絵とかはからっきしダメだから、漫画を描こうとは思わなかったけど、
とりあえず絵を習いたいと思った。

母ちゃんに言ったら、「学校に行く?」と言われた。
学校は嫌だったので、もう独学でいいやと思った。
だけど、独学で絵を勉強するのは難しい。だって、第三者の言葉がもらえないじゃん。
自分では上手い!と思っても、実は他人からみたら“いや、ここが…”ってのがあると思うんだよ。

母ちゃんに相談したら、母ちゃんは、「オヤジに習ったら?」と言った。
絶対嫌だと言ったけど、絵を習っていたらしいオヤジの絵には興味があった。
母ちゃんにオヤジの絵が見たいと言ったら、母ちゃんが一枚の絵を見せてくれた。
母ちゃんの絵だった。油絵だったけど、めちゃくちゃ上手かった。

<>178名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:34:11.96ID:WuCu4FE0<>

私が今まで心奪われたのは、人生で二つだけ。
えんがわと、このオヤジの油絵だ。
結婚前に描いてもらったらしく、もうかなり古い物だからヒビ割れて状態は悪かったけど、
でも、ずっと見ていても飽きない絵だった。
何とかしてこの絵を描きたい衝動に駆られたので、模写した。
模写しまくったけど、やっぱり全然違う。何が違うかなんか明白だ。
接客の時の、ピザと私の違いと同じ。心がないんだと思った。

オヤジは本当に母ちゃんを愛していたんだなと思った。

オヤジに会おうと思ったのは、これがきっかけだ。

オヤジに会おうというか、感覚としては大ファンの画家に会いたいという気分だった。
もちろん相手はオヤジだけど、それでもこの絵を描いた時の気持ちが聞きたいと思った。
それは娘として思ったのではなく、一人の人間として思った。

<>187名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:39:57.23ID:WuCu4FE0<>

母ちゃんがオヤジのアパートまで連れていってくれた。
数年ぶりに見たオヤジは、前歯がなかった。
「オヤジ、前歯は?」
が、久々の対面の第一声だったと思う。

前歯の真相は、週に一度の母ちゃんとのデートの日。
仕事から帰ってきてからうきうきはしゃいでアパートの階段を降りたら、そのまま転倒したらしい。
歯医者で「もう駄目なので抜きましょう」といって抜かれたオヤジの前歯。
もちろんしばらくは仮の歯が入っていたが、そこから治療費をけちって歯医者へ通院しなくなり。
仮歯も取れてしまい、みごとな歯抜けになったという訳だ。
「いや、歯医者行きなよ」
「いやーお父さん歯医者嫌いだからねー」
HAHAHAと笑うオヤジは、昔からこういうオヤジだ。軽いというか、うん、軽い。

<>190名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:44:09.88ID:SNgV9IAO<>
このオヤジ嫌いじゃないwwww

<>188名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/19(日)23:41:56.37ID:2Tl94Qc0<>
HAHAHAって…

不覚にも吹いたw

<>192名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:46:08.80ID:WuCu4FE0<>

オヤジのアパートで、母ちゃんはかいがいしく洗濯や掃除をしていた。
しかしオヤジの部屋は矛盾だらけの部屋だ。
まずテレビがないのにDVDがあるし、炊飯器がないのに生のお米がある。
でも鍋もないんだぞ。
そして部屋に貼られた、某子役のポスターと、某タレントのポスター。
丁寧に新聞の切り抜きまで貼ってある。名前は伏せさせてもらう。
某子役は、妹。そして某タレントは私に顔が似てるから好きなんだと言っていた。

「毎日妹とクズ子が家にいるみたいで嬉しいから、お父さん貼っちゃった」と言った。

悪いけど、うちのオヤジは歩くギャグ漫画みたいな人なので、
あまりエピソードを書くと漫画みたいになっちゃうから、書くのはなるべく控える。

<>201名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:51:45.22ID:WuCu4FE0<>

なぜテレビがないのにDVDプレイヤーがあるのか聞いたら、見たいDVDがあったからだと言った。
でもテレビないじゃんと言ったら、どうやら数日前まではあったらしい。
だけど、家で米が食べたかったから売っちゃったと言った。
「でも炊飯器ないじゃん」
「そうなんだよ!だから、DVDプレイヤー売って炊飯器買おうかな」
「やだわ、あなたwwwwそれじゃせっかく買ったDVDが見れないじゃないwwww」
「そうなんだよね〜」
あははうふふと笑いあう法律上は元夫婦の二人。
そういえば、小さい頃からオヤジと母ちゃんはこんなだったなぁと思った。

オヤジは、私の現状をたくさん聞いてきた。
なので、そのまま話したら、
オヤジは寿司屋をやめたきっかけを聞いて、黙って頭を下げた。

<>205名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/19(日)23:57:01.98ID:WuCu4FE0<>

意外に、話しているうちにあれだけ恨んでいた気持ちが消えていった。
オヤジは昔から、人を和ませる力を持っている人だったし、
やっぱり元営業マントップだけはある、穏やかというか、優しいというか。
何度も何度も謝ってくれて、こっちが申し訳ない気持ちになってきた。

これは正直な気持ち、今の今でも、なぜオヤジが借金してしまったのか分からない。
もちろん理由はあったけど、でも、とてもこんなに優しいオヤジがなぜだろうという気持ちしかない。

まぁ話は戻って。
久々の父と娘の対面というよりは、今だけ昔に戻ったように、普通に話せた。
気まずいという事もなかったし、話題に困ることもない。
オヤジの人柄がなせた技だと思う。

<>208名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)00:02:13.12ID:MwBFEAUo<>
クズ子は親父似のはずだから・・・あれ?

<>207名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:02:12.60ID:Y2JziXw0<>

オヤジの描いた油絵を見せて、「これに凄く感動した」と伝えた。
オヤジは懐かしそうに油絵を見て、「クズ子も絵が好きなのか」と言った。

「絵の仕事でもしたいのか?」
「ううん、ただ絵が好きだから勉強したいだけ」

じゃあお父さんが教えてあげると言って、オヤジはスケッチブックに私を描いてくれた。
鉛筆のラフだったけど、ずっと描いていなかったせいか、
「下手になったなぁww」と自分の絵を見て笑っていた。
それでも私から見たら、凄く上手。

一日中、模写とか、静止画とか、オヤジと一緒に絵を描いた。
夕方に母ちゃんがご飯を作ろうとしてくれたけど、
フライパンしかないので何も作れないという事になり、3人でご飯を食べた。
そういえばこの日妹がいなかったけど何でいなかったかは覚えてない。

<>213名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:08:49.11ID:Y2JziXw0<>

帰りの車の中で、母ちゃんに家族写真の話を自分で切り出した。
母ちゃんは嬉しそうに、
「じゃあ、兄の成人式もやってあげられていなかったから兄も単独で写真撮ってあげなきゃ」
と言ってた。

家族と記念写真をとる、というか成人式の直前だったかな。
ある夜に、荷物が届いた。トレーナーからだった。
中を見たら、バッグが入っていた。成人式用のやつ。

手紙が入ってて、ごめん今ちょっと現物が手元にないので内容は詳しく書けないんだけど、
文末に「いつでも戻ってこい」の言葉に泣いた覚えがある。
あと、「受け止めきれなくて申し訳なかった」とか、謝罪の言葉が並んでたと思う。

母ちゃんにもバッグは買ってもらってたけど、トレーナーからもらったバッグを使っていいかと聞いたら、母ちゃんが「当たり前でしょ」と言ってくれた。

<>218名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:13:07.53ID:Y2JziXw0<>

3年ぶりにそろった家族で、兄もオヤジと会うのは久しぶりだったようだ。
やっぱり兄も、「オヤジ前歯は?」と聞いていた。

兄は、オヤジに「妹の事は俺に任せてくれよ」と言った。
「離れて暮らしている分、俺とオヤジで父親二人になろうぜ」と言った。
この時だけは兄がかっこいいと思った。
中学生なのに、いつまでも小さい子供のような妹は、はしゃいではしゃいで仕方なかった。
「今日が毎日ならいいのに!」と言って、車の中でもスタジオの中でも、
ぱたぱた走り回ってとにかく落ち着きがない。

<>226名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:19:41.96ID:Y2JziXw0<>

母ちゃんに買ってもらった着物姿の私に、
オヤジは「凄い綺麗だけど、母ちゃんはもっと綺麗だったなぁ」と言った。
母ちゃんも「やだwwwwあなたったらwwww」と言って照れていた。
いまだにこの二人が元夫婦だなんて思えない。
今も昔もずっとこんな感じだからな。

帰り際に、母ちゃんが「これを機に、月に1度は全員で集まりましょう」と言った。
妹の賛成の掛け声を合図に、みんなで賛成した。
そして母ちゃんが、もう一つ報告があると言った。
「母ちゃん、次の仕事が上手くいけば取締役になれるの」と言った。
運転中のオヤジが、急ブレーキを踏んで驚いていた。

実質社長と母ちゃんの2トップの会社になるんだと。
オヤジは、「しゃ、社長と再婚するのか?」と言ってたけど、
社長はもう奥さんもいるしそんなんじゃないと母ちゃんは言った。

<>227名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)00:21:36.65ID:x3/afWwo<>
と、と、と、取締役・・・

<>232名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)00:22:25.83ID:EA/lh2DO<>
出世し過ぎwwwwwwwwすげえwwwwwwwwwwww

<>237名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:25:11.17ID:Y2JziXw0<>

母ちゃんのヘッドハンテングの声が増えてきて、でも母ちゃんも年が年だしこの景気だから、
他に移る気は皆無なんだそうだ。
前も書いた通り、あくまでも母ちゃんは今の会社で出世して、会社を大きくする事が夢だからな。

でも、大学も出てない、
ただのパートのおばちゃんだった女性をこれ以上出世させる事もなかなか難しいらしい。
部長が精一杯て事だろうね。

そこで母ちゃんは、
「じゃあ女性も男性も関係なく、学歴にも負けない良い実績を上げればいいんじゃん!」
と思ったらしく、第二工場を作って、事業を広げる一大計画を考えたんだと。

<>241名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:28:51.45ID:Y2JziXw0<>

そういえばちょっと前に、なんか新しい缶のデザインを考えろとか言われたなと思って、
「あれも母ちゃんの計画のひとつ?」と聞いた。
母ちゃんは、
「あんた絵が好きだし、
もし上手くいけばうちでデザイナーとして雇ってもいいかなと思ったんだけど、
その権限も今はないから欲しいのよね」と言った。

「権限が欲しけりゃ手に入れればいいじゃん!よっしゃ出世しよう!」という、
いかにも母ちゃんらしい発想。

オヤジが「…多分、今の母ちゃんは俺の倍は稼いでるよな」と呟いて落ち込んでいた。

<>248名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:33:34.90ID:Y2JziXw0<>

それからまた母ちゃんはめちゃくちゃに忙しくなった。
携帯を持って風呂に入るぐらいだった。
睡眠不足なんてものが母ちゃんにはないんだろうか。
よく分からないけど、毎年会社の健康診断は「判定A」だった。
医者お墨付きの健康体。
多忙になれた結果だと言ってたけど、それでも凄い。
母ちゃんのお肌もつるつるだし、何よりも皺とかがない。
40代後半を迎えているはずなのに、30代前半にしか見えない。
(娘のひいき目かもしれないが)
働くとエネルギーが湧いて老けないんだと言っていた。
それは間違いないと思った。

でも、妹の授業参観は必ず参加するし、運動会なんか朝一番で場所取りするし、
中学校の合唱祭も、一番前の席で一眼レフを光らせる。

<>252名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:38:56.17ID:Y2JziXw0<>

相変わらず私はニートだったけど、
でも、10代の時と決定的に違うのは、母ちゃんに対する考え方だった。
母ちゃん凄いなー、という気持ちから、母ちゃんみたいになりたいなーという気持ちになった。

ある日、VIPに釣りスレを立てた。
釣りですたwwwwという落ちで終わらせたスレだったが、めちゃくちゃ伸びた。
名前は言わないけど、有名まとめサイトにも載っていた。
「1の文章力に嫉妬wwww」「1お前小説家になれよwwww」という、
VIPにありがちな言葉が並んでいたけど、
単純に初めて書いた文章でこれだけの人が喜んでくれたというか、楽しんでくれたのが嬉しかった。
つーか、そういう楽しい話を考えるのが凄く好きだったので、これは良い趣味になるwwとはまった。

<>254名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)00:40:31.79ID:k2N.lsDO<>
あ、びっくりした
一瞬これが釣り宣言かとw

<>263名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:46:04.90ID:Y2JziXw0<>

小説書けよと自分でも思ったけど、
文章力(発想力じゃないぞ)が自分には欠けているので駄目な事は分かっている。
これに対してのフォローもいらん。

ここからは書いていいかちょっと躊躇うが、連日釣りスレで楽しんでいた時、
出版社から以前立てた私の釣りスレをまとめたサイト経由で連絡が来た。
wiki経由から連絡先をつきとめたんだと思った。
出版しませんか?という連絡だったけど、あれは釣りスレなんで駄目ですと断った。
銭ゲバのくせにと思うかもしれないけど、だって、釣りスレをわざわざ小説化してどうすんだよって話。
ギリギリな事書いてるし、このあたりは色んな人に迷惑かかりそうだからここまでにしておくけど、
まぁそんな話があって。
出版の人に、一本何か小説書いて、応募か持ち込みする事をすすめられた。

<>274名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)00:51:23.95ID:Y2JziXw0<>
いや、釣りじゃないってば。
私の特徴として、釣りすれで「釣りじゃない」宣言はしない。
ていうか、こんな長々とした釣りスレは個人的に好きじゃない。

さっきも書いたけど、文章力がないので何か文章を書こうとは思わなかったけど、
私の発想力だけは仕事に出来るかもしれないのか、と思った。
母ちゃんにそれを話したら、
「発想力だけを仕事にしようと思ったら、なかなか難しいかもね」と言われた。

絵とか字とか、それに何か付属してなきゃお金にはならないわけだ。

ちぇーっと思っていたら、妹が「じゃあ、妹のクラスの学級新聞書いて!」と言ってきた。
お金にならないので断ろうと思ったけど、寿司屋のポスターから始まり、洋服、釣りスレと、
とにかく何かひとつの物を完成させるのは好きだったので、引きうけようと思った。

<>295名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:04:38.02ID:Y2JziXw0<>

学級新聞の材料を買いにホームセンターに出かける途中、寿司屋の前を通ってみた。
トレーナーにバッグのお礼を言おうと思ってたんだけど、見たら浅見さんが一人で仕事をしていた。
浅見さんと話したいけど、今更顔を合わせていいか悩んだ、
けど悩んでても仕方ないので店に入った。
浅見さんはびっくりして「あんた、生きてたの!?」と言った。

そりゃ生きてるよ、と思ったけど、
トレーナーがバッグを送って「戻っておいで、連絡待ってるから」と言ったのに連絡がないから、
何か病気でもしたんじゃないかと思ったらしい。

<>299名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:07:08.33ID:EQcEJPs0<>
ここが成長だよな・・・感動するわ

<>305名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:10:16.84ID:Y2JziXw0<>

正直、もう戻るつもりはなかったので「トレーナーには近いうちに連絡します」とだけ言っておいた。
浅見さんが「今日はどうしたの?」と言ったので、学級新聞の話をした。
材料を買って今日作るんですと言ったら、
「あんたの作ったポスター、えらい評判良いからまたうちの店のポスターも作ってよ」と言った。
見れば、もうフェアなんかとっくに終わってるはずなのに、
私の作ったポスターをまだ貼ってくれていた。
メニュー表も私が作ったままだった。

これにやる気が出たので、さっそく帰ってから学級新聞を作った。
新聞みたいな、見出しとかどこにどういう物を書こうとか考えるのが大好きなので、
夜通しで夢中になって作業をした。

<>310名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:15:32.40ID:Y2JziXw0<>

次第に私は、物を作る事に喜びというか、楽しいという気持ちを持つようになってきた。
金がなくなってはコスプレ衣装を作り、オークションで売る。
それだけでも寿司屋のバイトの時よりは稼げていたし、
合間に絵を描いて、飯作って、VIPで釣りスレ立てて、うんこして寝る生活。
結構充実した毎日を送っていたと思う。
あんまりこの辺りはエピソードがない。
そのくらい、平穏というか、普通の毎日だった。

ただ、コスプレ衣装も大きなイベント前でない限りはなかなか売れない時もある。
母ちゃんに言ったら、「それがクリエイターの使命だ」と言った。
ぶっちゃけ、クリエイターの意味が分からなかったが、何となくかっこいい言葉だと思った。
なので、オークションの自己紹介欄に“職業:クリエイター”と書いていた。

ただのニートなのにひどい黒歴史だと思う。

<>280名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)00:53:58.90ID:k2N.lsDO<>
全然関係無いが、
クズコは左利き?
いや、クリエイティブだから常に右脳が刺激されてるのかと…

<>318名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:20:32.97ID:Y2JziXw0<>

ちなみに私は両方が利き手。どっかのレスに左利き?とあったので一応。

トレーナーに連絡をした。バッグのお礼の電話だ。
トレーナーとたわいもない話をして、バッグのお礼を言った。
トレーナーは突然、電話口で泣き始めた。

何回も何回も、「悪かった」「ごめん」と謝られた。

トレーナーから直々に、戻ってくる気はないかと言われて一瞬迷った。
何となくやりたい事も見つかったけど、でもまだ何の形にもなっていないし、
仕事といえるかも微妙な所だし。
何より、これ本当ぶっちゃけ、
在宅で稼げてしまったので、気楽な生活になれちゃったから、
また朝起きるのは嫌だ!と思ったんだよ。

<>324名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:22:52.71ID:FLqmFYAO<>
やはり本音が出たwwwwww

<>326名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:24:36.06ID:Y2JziXw0<>

トレーナーから、戻ってくるなら時給を上げてやると言われた。
いくらだったかは覚えてないけど、
多分850円を900円とかにするって言われたのかな。
あと、まかないもクズ子だけは特別に好きなネタを好きなだけ使っていいと言われた。

戻ろうと思った。

クズ子だけ特別、がポイントだったのかもしれない。

でも前みたいに週に5日フルでは働けないと言った。
衣装作りも続けたかったためだ。
こうして私は、寿司屋に復帰した。なんとも単純な理由で復帰した。
でも私はこういう人間なので、なんともらしいかな、と自分的には満足していた。

<>340名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:31:45.63ID:1O990wIo<>
トレーナーに好かれてたのもあるだろうけど案外戦力になってたんだろうな

<>338名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:30:11.23ID:Y2JziXw0<>

寿司屋でまた働きながら、衣装も作る。
衣装作りの数もこなしていくと、落札者からのリピートとか、オーダー希望の連絡も入る。
たまに仕事につまると、オヤジの所へ行ってオヤジと一緒に絵を描いたり、
VIPで釣りスレ立てたり、妹の学級新聞を作ったりしていた。

二足のワラジは結構辛いもので、復帰初日から寝坊した。
めんどくせーと思っていたが、この日、トレーナーがマンションまで迎えに来ていた。
インターフォンを鳴らされて目が覚めたので、すぐに分かった。

「絶対あんたは遅刻すると思ったんだよね」と、前に聞いた事があるような事を言われたが、
久しぶりにトレーナーと会えてとにかく嬉しかった。
もちろんパートのおばちゃんの中には、「よく戻ってこれるわね」という人もいた。
ていうか、トレーナーと浅見さんとピザ以外全員そうだった。
けど、トレーナーと浅見さんとピザが味方なだけで良かった。

<>342名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:34:29.12ID:SviY55wo<>
338
つええよ。お前も母ちゃんと同じく、大出世しとる。

<>345名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:35:40.78ID:Y2JziXw0<>

再び寿司くさい体になった私を、母ちゃんが誰よりも喜んでくれた。
「あんたは出来る子だ」とたくさん褒めてくれて、
体にだけは気をつけろと言われた。

ある程度、オークションで私の衣装を落札してくれる人が定まってきた。
なので、オークションではなくネット通販に切り替えようと思った。
売れるんだか売れないんだか分らないオークションよりも、
オーダー式の通販の方が全然良い。

ただ、確定申告とか税金とか、
20歳過ぎたので年金とか色々払わなきゃいけない物があるみたいで、
全部計算がめんどくさくて母ちゃんにやってもらおうと思った。

なので、収入はまず母ちゃんへ全額渡す。母ちゃんが必要経費を抜いて、私に残額を返してくれる。
しかしそれは二重で面倒なので、
必要な時に母ちゃんへ申請して、母ちゃんに金を管理してもらっていた。

<>355名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:41:28.34ID:Y2JziXw0<>

さすがに経理部長でもある母ちゃん
(まぁ、営業部長でもありその他何とか部長っていう肩書は全部母ちゃんなんだけどね)、
結婚前は税理士事務所でお茶くみをしていただけあり、税金関係はばっちりだ。
きちんと毎月明細を作って見せてくれて、ひとつひとつ教えてくれた。

兄にその話をしたら、「税理士雇ったら凄い金額かかるから、お前はラッキーだな」と言われた。
母ちゃんがやってくれている事は、普通ならお金がかかるらしい。
でも私は母ちゃんがやってくれているから、ラッキーだと思った。

<>361名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:46:17.57ID:Y2JziXw0<>

トレーナーにその話をしたら、
「あんたも稼げるようになったんだから、お母さんに少しは返してあげなさい」と言われた。
気持ちでもいいので、ちょっとした物あげたら喜ぶよと言われた。

ある日に作っていた衣装で、ブレザーのボタンホールでミスをした衣装があった。
これでは売り物にならないので、
母ちゃんに「母ちゃんのためにジャケット作ってみたよ」と言って失敗したブレザーを渡した。
母ちゃんが泣いた。

泣かせるつもりではなかったからびっくりしたけど、
嬉しくて泣いてる事が分かったので複雑な気持ちになった。
まさかそれは売り物にしようとして失敗したからあげただけです、とか言えない空気だった。

<>362名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:47:40.94ID:CBlgajU0<>
しれっとカーチャンのためとかwwwwwクズ子wwww

<>369名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:51:07.57ID:Y2JziXw0<>

その日から母ちゃんは、
某ゲームキャラクターの制服(ワッペンつき)を毎日着て会社へ通勤するようになった。
その姿を見る度に罪悪感と、「それはえろいゲームのキャラクターの衣装なのに…」と思って笑えた。

それからまたしばらくして、
母ちゃんが私に「あんたのデザイン、駄目だった。奇抜すぎてインクがどうのこうの」と言って、
以前書いたデザインがボツになった話をされた。
あの缶さえ通れば、第二工場も夢じゃないのに、と言った母ちゃんのために、
またその日夜通しデザインを考えた。
翌日母ちゃんにデザインを渡したら、
母ちゃんは大喜びで「これを武器に、また社長と口ケンカしてくるわ」と言った。

<>381名前:クズ子◆6ClmPIZy/M:2009/04/20(月)01:56:23.47ID:Y2JziXw0<>

連日繰り返しだった。またデザインがボツになり、またボツになり。
もうイライラしてきたので、
「母ちゃん、社長と現場の連中全員連れてきてよ!どこが駄目なのか自分で聞く!」
と母ちゃんに言った。
母ちゃんは、「別に無理してもう描かなくていいよ」と言った。
「他のデザイナーに頼んでみるから」と言って、
私のムキになる性格と負けず嫌いのツボをギュウギュウ押してきた母ちゃん。

何がなんでもデザインを通してやると躍起になって、連日遅くまでデザインを考えていた。

寿司屋では、ピザが就職するので退職すると言った。
私は、「就職なんかしちゃらめええええええ」と言って悲しんだが、
ピザの就職先が保育園だと聞いて妙に納得した。

保育園で園児を相手にブッダの教えを解けばいいと思った。

<>383名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/20(月)01:57:34.78ID:95WoFvEo<>
ブッダの教えwwwwww

続編:うちの母ちゃん凄いぞ 後編

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2017年7月24日 | 近親相姦体験談カテゴリー:修羅場の体験談

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